JR九州は9月13日、豪華観光寝台列車「ななつ星in九州」の車両を報道陣に公開し、ベールに包まれていた全8両(気動車を含む)が連結されたかたちで姿を現した。公開に先立ち、「ななつ星」を製作していたJR九州小倉車両センター(北九州市)で車両を披露する除幕式が開かれ、唐池恒二社長、デザインを担当した水戸岡鋭治氏、小川洋福岡県知事らが参列。「ななつ星」車内で奏でられるピアニストらの生演奏が響くなか、「ななつ星」を隠していた幕が左右に開かれると、金色のエンブレムに飾られたエンジ色の気動車が姿を見せた。
全8両のうち、1号車(ラウンジカー)、2号車(ダイニングカー)、3号車(スイート客室)は内部も公開された。同日朝まで、数十人のスタッフが何日も徹夜して作業してきた。
木をふんだんに使った洗練された車両は、新品なのに懐かしさを感じさせる。壁、床、天井にウォールナットやペアウッドなどの木材を使い、ステンドガラスや組子、唐草鉄格子など「匠の技」であつらえた装飾の数々。まさに「ななつ星」が、「懐かしくて新しい旅」を演出する「走るホテル」「走るレストラン」「走る社交場」であることを実感させる。水戸岡氏は「手間暇かけて作っていただいた。後30日あります。最後まで走り切りたい」と語った。
「ななつ星」の乗車券は抽選制で、第3期(14年4~6月出発分)の抽選会が12日にあり、平均倍率は9.00倍だった。第4期(同7~9月出発分)は、14年1月から申込受付予定。「ななつ星」は、鉄道の日の翌10月15日、初運行する。
唐池社長は、「今まで体験したことのない豊かな時間を過ごしてもらいたい。何も考えず、車窓を眺めていただいて、ふつふつと湧いてくる(ものがある)。この旅は、新しい人生に巡り合う旅、それを体験していただけると思っている」と、報道陣に話した。
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