大牟田市は、8月5日に古賀大牟田市長、西山大牟田市議会議長、板床大牟田商工会議所会頭の三者で緊急記者会見を行ない、「大牟田市として手を挙げる方向で、至急検討していく」との発表を行なった。そして同月8日に『大牟田まちづくり市民会議』が開催され、その会議のなかでホークス・ファーム用地の招致について満場一致で承認された。さらに、近隣自治体(みやま市、柳川市、長洲町、南関町)との連携を実施するなど、招致の表明からわずかな期間で招致活動が具現化している。用地候補地として大牟田市内の岬町にある民間所有地を検討していることもわかった。
そのほか、筑後市、八女市、うきは市、朝倉市、小郡市、那珂川町、志免町、粕屋町、須恵町、久山町、古賀市、宗像市、福津市、宮若市、小竹町、飯塚市、嘉麻市、鞍手町、遠賀町、苅田町、北九州市、福岡県外では、佐賀県の多久市、唐津市、嬉野市、大分県中津市、熊本県荒尾市、長崎県雲仙市などの自治体が名乗りを上げている。
髙島宗一郎福岡市長は、招致の意思を示したのは9月9日の定例記者会見でのこと。担当する市総務企画局企画調整部は、「当然、福岡市に残留していただきたいです。それに向けて全力を尽くします。福岡市のシンボルとしてホークスという球団は、市民からとても愛されております。その市民に根付いた文化を、何としても守りたいです」と意欲を見せるが、肝心の市政トップの出遅れ感は否めない。
真っ先に市のトップが自ら意志表明した大牟田市に続き、多数の自治体が名乗りを上げた。「ホークスさんが、移転の表明をした時点ですぐに緊急の記者会見をやるくらいの、強い意志を市長は表明すべきだった。ホークスのファームが福岡市から他の自治体へ移転してしまうのは大きな損失だ」と、異口同音の声が福岡市民から聞かれる。完全に後手を踏んだ高島市政だが、このかたちは他の自治体との間の遺恨となる可能性がある。出遅れた福岡市に決定となれば、招致に本気で取り組んだ自治体は馬鹿を見た気分になるだろう。「出来レース」との誹りも免れまい。
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