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責任論は終了、損害論を審理へ~『茶のしずく』訴訟第8回弁論
健康・医療
2013年9月18日 11:18

yuka.jpg 『茶のしずく』石けん損害賠償訴訟の第8回口頭弁論が17日、東京地方裁判所で開かれ、(株)悠香、(株)フェニックス、(株)片山化学工業研究所の被告3社の責任論に関する整理作業が行なわれた。
 原告被告双方が争点整理案を提出し、次回から損害論の審理に移行する。
 裁判の重要な争点とされる「開発危険の抗弁(*)」については、(1)開発危険の抗弁の主張が許されるか、(2)どうような場合に製造物責任法4条1号の「科学または技術に関する知見」が存在しているか、(3)商品の引き渡し当時、商品およびグルパール19Sを認識しうる知見が存在しているか、という3点が争点となっている。

 争点(1)で、原告側は「開発危険の抗弁は、研究開発や技術革新、国民経済の健全な発展が阻害されることを防ぐために設けられたのであり、制限される場合がある」として、石けんの開発は、「開発危険の抗弁」に該当しない、としている。これに対し被告側は、「制限されることは、法に明記されていない」と反論している。
 争点(2)では、原告側の主張「世界最高水準の知識をもって類推すれば欠陥は認識できる」に対し、被告側は「知見が質的、量的に確立されていない」としている。被告は「グルパール19Sに関する直接的な報告文献が必要」と主張し、原告は「不要である。直接的に記載される報告文献がない場合、開発危険の抗弁を主張できるとすれば、消費者がモルモットになることを認めたようなもの」と反論している。

 損害論に関しては、裁判所は原告側に健康被害の度合いによって、4段階程度のグループ分けを求めている。これに対し、原告側は基準の設定が困難であると回答。今後、裁判所との意見交換が行なわれる見通し。

 東京弁護団では、4人の原告による第4次提訴が行なわれており、東京弁護団がまとめる原告は総計で168人、請求総額は約20億8,500万円となった。今後、4次提訴に間に合わなかった原告のために5次提訴が行なわれる予定。

*開発危険の抗弁
「当該製造物をその製造業者等が引き渡したときにおける科学または技術の知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを確認できなかったこと」を証明した場合は責任を負わない。(製造物責任法4条1号)


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