2013年9月17日、私たちは初めてカンボジア・シェムリアップに降り立った。目的は2010年12月に落成した「CMCトゥールポンローみおつくし中学校」(通称:KODAMA school)で執り行われる卒業式に出席することだ。同校は、バンテアイ・ミエンチャイ州マライ郡トゥール・ポンローコミューンにあり、カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC、代表:大谷賢二)、(株)データ・マックス、大阪西ワイズメンズクラブの支援などによって建設された。
9月に卒業シーズンを迎えるカンボジアは雨季。しとしとと降る雨のなかシェムリアップから車で数時間かけて同中学校へ向かった。学校までの約1kmの道路は、弊社を含めた企業の協賛により整備が完了したと聞いていたが(その道路は弊社代表の名前を取って「KODAMA STREET」と名付けられていた)、カンボジアの気候が影響して地盤が緩んだうえ、トラクターなどの走行で大きな轍が出現、そのため通学に支障をきたしていた。この件は後日、現地で改善を要請した。
3年前に建てられた校舎はまだ新築同様で、建物自体に大きな問題はなさそうだ。グランドはかなりの草に覆われているが、乾季になれば風景も一変するのだろう。
弊社代表の児玉直から卒業証書を授与された生徒は21名。いずれの生徒も嬉しそうに卒業証書を手にしていた。しかし、学校に入学したものの、全員が卒業できるわけではない。貧しさゆえ、親の手伝いなどが優先され、学校に通うことを断念せざるえない生徒も多いのだ。そんな悲しい現実が横たわる。
卒業式後、お礼として生徒や生徒の親たちがお手製の昼食を振舞ってくれた。教室内で関係者一同美味しく頂いた。学校で食事したのは何年ぶりだろう。我々が帰路につくと、生徒も「KODAMA STREET」を一緒に歩いてくれた。また雨が降り始め、さらに道路はぬかるんだが、明るい生徒の笑顔が我々を元気付けた。子どもたちの屈託ない笑顔が印象的な、すばらしい卒業式であった。
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