<首都圏の巨大病院を経営する特定医療法人沖縄徳洲会>
1979年、沖縄県に医療法人沖縄徳洲会・南部徳洲会(島尻郡)を開設。医療過疎地であった沖縄県の離島医療を目的にして、81年に特定医療法人の認定を受けた。現在、沖縄県では沖縄市、石垣島、宮古島を合わせて4つの病院と7つのクリニック・診療所を経営している。
もともとは沖縄県の離島医療を目的として特定医療法人の認定を受けた沖縄徳洲会だったが、今や首都圏の病院も経営する。
徳洲会の総本山である湘南鎌倉総合病院のほかに、相模湾に向かい富士山を望む景勝地にある高度医療心臓病医療センターの葉山ハートセンター(神奈川県三浦郡葉山町)。2014年7月にオープン予定で、千葉県船橋市高根台に新病院(391床)を建設中の千葉徳洲会病院など6つの病院を首都圏で経営。特定医療法人沖縄徳洲会が経営している病院は全国に17病院にのぼる。
沖縄の離島では、病院の規模は小さく診療収入は少ない。先進医療を標榜する首都圏の病院は規模が大きく、診療収入も多い。税制優遇措置のメリットを享受できる。特定医療法人沖縄徳洲会が首都圏の大病院を経営している最大の理由だろう。
<徳洲会66の病院のうち23病院が優遇措置を受ける>
社会医療法人社団木下会は、今年5月に新館が完成し、608床となった先進医療の千葉西総合病院(松戸市)など千葉県の3病院を経営。社会医療法人鹿児島愛心会は、垂水徳洲会病院(垂水市)など鹿児島県の3病院と8つのクリニックを経営している。
徳洲会グループ66の病院のうち特定医療法人と社会医療法人を合わせて23の病院で税金の優遇措置を受けていた。この認定が取り消されれば、経営への打撃は大きい。
体が動かせないため、側近の秘書や看護師に身体中をマッサージさせながら、文字盤を使って目だけ動かして、グループ経営に指示を与える姿は鬼気迫るものがある。徳田虎雄氏は、まさに怪物経営者だ。
税制的に優遇された特定医療法人や社会医療法人には、出資持ち分(私的財産所有権)の放棄、役員の同族支配の制限、役員に対する報酬基準など厳しい要件がある。親族に特別の利益を与えることは、税の優遇措置を受けている医療法人に許されるものではない。特定医療法人と社会医療法人の認定は取り消し、徳田虎雄氏は理事長を退く。「徳洲会=徳田王国」は崩壊の瀬戸際に立たされている。
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