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企業・人、再生シリーズ(6)リーマン・ショックの最大の痛手~ユニカ(中)
コダマの核心
2013年9月27日 10:56

<手堅さが身上の若手経営者たち>
 (株)ユニカの緒方社長へ、率直に「現在の後輩経営者たちをどう評価するか?」と尋ねてみた。
 まずこちらが具体的に、問題を下記のように投げかけてみた。
 「アライアンスの売上は来期が50億円、その次が80億円と見込まれている。中垣社長は銀行へは『3期後には普段の30億円に戻ります。これが我が社の実力です』と語っているとそうな。銀行は『それが賢明です』と賛同の意を表明してとか。中垣社長は常々、『30億円での規模の組織体制でいく』と公言している。この経営手法をどう感じるだろうか」と。

ogata.jpg 頭脳がシャープな緒方社長は、質問の本質を的確に理解して応じた。「我々の世代以前の先輩たちは30億円、50億円、80億円と続くと『次は100億円を突破させてみせる。5年後には福岡で、いや九州において1番になるぞ』と吹きまくってしまう。その吹いたレベルに向かって猪突猛進して達成してしまう。それは凄い突進力であった」と語る。「ところが、結果、バブルが弾ければ組織の歪が生じて墓穴を掘ることになる」と茶化した。
 そして「ご指摘の通りだ。不動産市況は一定の波がある。引き潮のときには銀行が融資を制限かける。こうなると我々の商売はギブ・アップする運命が待ち構えている。業界はこの繰り返しパターンなのだ。それはわかっているのだが、旧世代の先輩たちは3期も業績が急伸すると『永遠に続く』と錯覚して拡大路線を推進する。その行きつくところは破綻だ。尊敬する大先輩の経営者たちの大半が自滅した。評論は容易いが私自身も苦い経験をした」と淡々と述べる。
 
 確かに、緒方ユニカも平成初頭のバブルの傷を背負った(博多区住吉の不動産購入でとんでもない赤字を背負った)。1996年以降、本人も「近いうちにバブル破壊がくる」と懸念をしていた。しかし10期も増収が続くと、警戒感を薄めてしまう呪縛に絡められてしまった。ユニカの大躍進をかけた香椎浜大開発を実行しようとした矢先に、リーマン・ショックが直撃した。その影響で行き詰ったのである。
 「我々はデベの経営者の方々がドラマを創出してくれたお陰で、オマンマを頂いてこられた。いまの若手の経営者たちは常識家で無茶をしない。裏を返すと面白みがない。話題提供が乏しい。だからドラマレポートの創作ができずに、飯の種がなく非常に不安感に駆られている。この意見を踏まえて持論をお願いしたい」と先に駒を進めた。

 「一言でいえば非常に手堅い。冒険をしない。だから次回、やってくるバブル破壊があってとしても自滅するようなことはないのではないか!!我々はマージャン、ゴルフで掛けあいもしたことがある。だが最近の若手の経営者たちは馬鹿な遊びもしないし、同業者の仲間内でも仲が良い。言うなれば業界の常識が、世間の常識と一致するようになったということであろう。ただ大手の業者に立ち向かう覇気がないのが残念だ」と、評価をしつつも、一抹の寂しさも抱いているようだ。

(つづく)

≪ (前) | (後) ≫

<COMPANY INFORMATION>
(株)ユニカ
代 表:緒方 寶作
所在地:福岡市中央区大名1-2-23
設 立:2003年2月
資本金:8,000万円


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