東京での2020年オリンピック・パラリンピック開催が決定し、それをきっかけに、都内の不動産争奪戦が、過熱している。人気のエリアである豊洲、勝どきなどの湾岸エリアでは、不動産投資家らによる好物件マンションの奪い合いが始まっている。なかでも、選手村の設置が決まっている「中央区晴海」、「勝どき」付近では、五輪を7年後に見据え、競争がヒートアップしている。
<大規模な五輪選手村開発>
「アスリート第一」を目標にしている2020東京オリンピック。競技場などは、既存の施設を使った省エネ開催を掲げているが、選手村には、豪華な施設が世界一流の設計士、建築家らにより、建築される予定。2020年までに東京都が所有している中央区の晴海ふ頭公園付近の土地に、総額約1,057億円(恒久使用部分は約954億円)をかけて、レクリエーション施設、400メートルトラックやサッカー場などのスポーツ複合施設を備えた大規模な選手村が建設される。
選手村に併設して作られるオリンピックプラザには、店舗、ダイニングカフェ、医療施設、近隣にメディア関係者が集うメディアセンターなどが入る。
開催期間中、世界各国から約1万5,000人がこの一角に集う。アスリートたちが期間中に暮らす部屋は、豪華な一室になる模様だ。
選手村の建設予定地は、都営大江戸線の勝どき駅から海側に徒歩で15分程度歩いたところにある。晴海ふ頭付近の広大な土地。現在は、東京都の所有地となっており、公園とソフトボール場のある晴海運動場、消防の訓練施設などがある程度で、そのほかは空き地となっている。コンパクトな五輪を掲げているだけあって、選手村も都心から近い。晴海地区から晴海通りに出て、勝どき橋を渡れば、築地市場があり、そのまま、晴海通りをまっすぐ行けば、すぐ銀座。予定地から、東京スカイツリーや東京タワーも見えており、「おもてなし」するには、さすがの好立地だ。
海の向こうにレインボーブリッジ、お台場が見えるものの、建設開始前の今はものさびしい風景が広がっている。
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