県政史上2番目の若さで第63代福岡県議会議長の要職についた自民党県議団・松尾統章(まつお とうしょう)県議会議員。将来を嘱望されるホープとして、激変時代のなかの福岡県をどのように見ているのか。今回は、議長と県議と、2つの立場から『志』と『福岡への提言』についてインタビューした。
<情報発信のさらなる充実>
――議長になられてみて、どのようにお感じですか。
松尾統章議長(以下、松尾議長) 昨年は、議会運営委員会の委員長として議会のいろいろなルール決めであったり、議会運営のことであったり、議長から指示を受けて取り組んでいました。議長の横にいた分、議長がどういう仕事をしているかはなんとなく見えていましたが、実際に自分が議長になってみると、まあここまで忙しいのかと。執行部や議会内部から一番早く入ってくる情報を受けて、どういう風に議会を回していくのかという点で、精神的に忙しさを感じています。
――議会(本会議)以外ではどのような活動をされているのでしょうか。
松尾議長 もともと議会というのは合議体であって、私を頂点にしたピラミッド組織ではありません。あくまで議員同士の信頼関係のなかで私は議長にならせていただいています。私が簡単に右だ、左だと判断するのではなく、ある程度は信頼関係のなかで動いてくださいますが、絶対的な権限ではないと自分では思っています。そうしたなかで、いち早く情報を自分のなかで噛み砕いて、議会としてどう対応していくのか、たとえば対外的な部分、対執行部の部分、議会内部の問題解決など、これらに大きな方向性を出してやっていくのが議長の仕事です。方法論については、福岡県議会の場合、代表者会議でしっかり議論していますし、議会運営委員会も機能していますので、私が持っていきたい方向へ持っていくように、先生方に協力していただいております。
――議長になられて新しく掲げた目標とかはありますか。
松尾議長 目新しくはありませんが、福岡県議会においては、政策立案の機能を高めたり、チェック機能を高めたりというかたちを議員それぞれが意識をもってチームを組んだりして改革をやってきました。しかし、「いまだに議員って何をしているの?」という声も聞こえ、そういった意味では、私たちの活動についての情報発信の部分が弱いと思っています。私が議会運営委員長だった頃から、松本國寛前議長が「とにかくホームページを充実させましょう」と取り組んできました。その前の原口剣生議長は、県議会の新聞を作り、県議の活動が県民の目に触れるようにしました。そうした働きかけを、もう少し面白く、わかりやすく、県民に議会の機能とか活動を情報発信していくものをつくっていかなくてはならないと思っています。
――具体的に言うと、インターネットの活用でしょうか。
松尾議長 やはりインターネットの存在は大きいですね。私みたいに若い世代はインターネットにあまり抵抗はありませんが、大先輩の先生方は、今まで抵抗があったけれどネット選挙によって興味を持つようになっています。議会において、先生たちは地域のいろいろな声を上げていますし、年4回定例会、常任委員会、特別委員会で議論をしていますので、せっかくですから、もう少しわかりやすくしたいと思っています。情報公開については、歴代の議会改革で取り組み、結構進んでいると思います。たとえば、政務活動費の公開は、領収書も含めて、閲覧時期を県議会のホームページに載せるなど、オープンにしているのはたしかです。
| (中) ≫
※記事へのご意見はこちら