＜大規模開発、前夜＞
　晴海ふ頭公園の雑草は伸び放題で、半ば荒れ地気味。付近の道路の舗装もあまりなされていない。しかし、現在はほとんど何もないこの空き地が、2020年までに激変することになる。勝どき駅から歩いて５分ほどのところに、大手建設会社による大規模高層タワーマンションの建設が始まっており、晴海地区から豊洲へと続く豊洲大橋も建設が始まっている。7年後への激動の兆しが感じられる。

　東京都では、晴海、勝どき付近の中央区と、その隣にある江東区・豊洲について、「豊洲・晴海開発整備計画」を立てており、オリンピック開催とその後を見据えた長期的な視点で、この湾岸地区を"東京改造"の中心的な存在に位置付けている。現在建設中の豊洲大橋を渡ったところに、15年をメドに移転する築地市場に代わって豊洲新市場の建設計画がなされており、築地に集まっている外国人観光客の足もこの付近に向くことになる。豊洲を含めた湾岸地区は、2020年までに大きく様変わりする。

＜７年後までに街並みが激変＞
　東京都では、未来につながる持続的な都市計画の一環として、晴海地区をモデル的な地区にしようと目論んでおり、この地区の都市整備により、防災、低炭素で高効率な自立・分散型エネルギー社会の創出を目標に掲げている。
　そのビジョンのなかの拠点の１つとなるのが、晴海の選手村だ。1964年の東京五輪の際に選手村として使われたのは代々木付近で、現在は、体育館、サイクリングコース、広場があり、さまざまなイベントが開催されるなど市民の憩いの場になっている。晴海地区につくられる選手村も同様に、オリンピック終了後に有効活用され、オリンピックのレガシー（遺産）としてスポーツ、教育、文化の国際的な交流拠点となるように開発計画が立てられている。

　この動きと、五輪開催決定で、この晴海地区に"五輪特需"が到来した。勝どきにある不動産業者が「晴海地区を中心とした中央区の開発に力が入るのは明白なので、不動産投資家たちも先を見越して動いています」と言うように、７年後を見据えて、この地区に不動産投資マネーが流入している。

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