ヤンゴンの路上は日本車で溢れている。「99.9%が日本車」と言い切るミャンマー人もいるが、実際には日本製と認識できない車輌も散見される。そのなかでも抜群の人気を誇るのがトヨタ車。80年代~90年代製が多いが、近年モデルのレクサスやプリウスなども見られた。製品への信頼感に加え、部品や修理工の充実などが支持を受ける理由だとされる。現地で縁があったミャンマー人は、2010年モデルのプロボックスを11,000ドルで購入したという。ミャンマーの一人当たりGDPは2011年の推計で832ドル。都心部ヤンゴンはこれより高額と見られるが、1台の値段は多くの人の数年分の年収に匹敵する額だ。そうした車輌がヤンゴン市内を埋め尽くしているのが、今の経済発展の象徴だ。急速な増加に信号などのインフラが追いつかず、渋滞が発生しやすい。また、下水道が整備されておらず、まとまった雨が降ると道路が文字通り川になる。
気になったのは車道が右側通行であること。右ハンドルの日本車の視界は悪い。3日間の滞在中に2件の交通事故に遭遇。幸い重傷者がいないようだったが、単なる交通量増加だけが事故の原因ではないようだ。つい最近の報道では事故削減に向けて右ハンドル車を規制する動きもあるという。数年後には日本車が一掃されているかもしれない。ちなみに、我々が使用した観光バスは韓国製だった。
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