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求められるリーダーの出現と戦略的街づくり~嬉野温泉街(3)
流通
2013年10月 1日 15:28

<評判の黒川、根強い人気の湯布院>
 九州各地の温泉地は、景気動向に加えて2011年3月に発生した東日本大震災の原発事故にともなう風評被害により、外国人観光客が減少している。また、九州新幹線の開通にともない、各地で様々な影響が見られる。

kurokawa.jpg 宿泊者の減少が目立っているのは嬉野温泉に限ったことではない。女性に人気の温泉地である熊本県の黒川温泉は10年前に約40万人の宿泊客があったが、2012年(平成24年)は28万5,358人と約3割減となった。観光客数(入り込み客数)は85万674人(推定)となり、かつて100万人が訪れた頃と比べて減少しているものの、旅行代理店及びネット予約サイトでは上位に入る人気のスポットである。同温泉は旅館仲間同士が手を取り合ってブランドイメージの向上に努めていることで有名。環境に配慮したシャンプーの使用をはじめ、こだわりを持つ。これが2002年12月に日経新聞社主催の温泉大賞で全国1位を獲得。その他、数々の受賞歴を持ち、皆の英知を結集することで黒川のイメージを向上させている。

 大分県由布市内の湯布院温泉などの温泉地も苦戦している。同市の2011年観光動態調査では宿泊客数が70万4,835人とピーク時の100万人の宿泊客からみれば、3割近く落ち込んでいる。同市の場合、外国人の宿泊客が前年比で1万2,000人以上の減少となる2万3,865人となったが、日本人の宿泊客数が5万人以上増加したことで、前年対比でプラスに転じることに成功した。湯布院温泉は温泉施設では大規模なホテルではなく、小型の旅館ばかりで個性的なのも理由の一つで、宿泊客の約6割がリピーターになるとも言われている。各地で様々な影響が見られるが、九州では鹿児島の指宿が大きく数字を伸ばしている。これについては次回ふれることにする。

(つづく)

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