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長崎県に独禁法違反の疑い!!(前)~「がんばランド」の仕入先を制限
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2013年10月 2日 17:46

 長崎漁港にある水産物直売所「長崎漁港がんばランド」への同漁港関連施設用地の占用許可の条件として、長崎県が仕入先を指定するなどの制限をしていることが10月1日、わかった。長崎県議会の農水経済委員会・分科会で、県水産部が示したもので、議員から「独占禁止法違反の可能性」が指摘され、法令違反が疑われる行政行為が相次ぐ事態に、県の水産行政への信頼が揺らいでいる。

<許可後に初めて持ち出した条件>
ganbaland.jpg がんばランドは、長崎県最大級の水産直売所で、長崎県が「6次産業化の先駆的取り組み」と位置づけている。長崎漁港(三重地区)の漁港関連施設用地に、2011年3月オープン。2期事業(リニューアル事業)は、2012年6月に県の占用許可を得て、今年(2013年)3月、オープンした。問題は、リニューアル後、県が占用許可時に提示や協議していなかった条件を付け始めたのが発端だ。

 そのなかで、県は5月13日に「県の考え方」をがんばランド側に示し、「10%程度」以外にも、取り扱える商品を詳細に規定。その後、県が新たに付けた条件が仕入先の制限だった。
 その内容は、6月30日、8月22日に提示されたもので、その内容をがんばランド側と協議したのは「7月19日」(田添伸・水産部次長。10月1日、農水経済委員会)。許可当事に何ら提示していなかったことは明らかだ。にもかかわらず、県は「許可の条件として考えたい」(田添水産部次長)として、条件を守らなければ許可しない考えを明らかにし、「許可後に守らなかった場合、許可取り消しもあり得る」と強硬な姿勢を示している。

<仕入先、陳列スペースを制限 「不当に拘束する条件」に該当か>
 長崎県の条件(8月22日提示「県の考え方」)は、農畜産物について、「米、野菜、果物などの農産物は県産品を基本とし、県内の生産者・生産団体が直売するもの、並びに県内の生産者・生産者団体からの仕入れによるものを基本とする」として、「県内青果市場からの仕入れを、販売金額ベースで農産物取扱金額の20%未満」と制限。農畜産加工品については、県内に本社のある加工場で生産された農畜産加工品の売り場を「六尺什器2台分相当以内」と制限している。

 許可当時になかった条件を「後出しジャンケン」で持ち出したもので、後から言っておきながら、「守れ」というのはおかしい。それ以上に重大なのが、仕入先の制限が「事業活動を不当に拘束する条件を持った取引」に該当し、独禁法違反の可能性が生まれたことだ。
 山田博司議員は1日の農水経済委で、独自に調査した弁護士の法的見解を示した。
 独禁法は、不公正な取引方法として、「相手方とその取引の相手方その他相手方の事業活動を不当に拘束する条件を付けて、当該相手方と取引すること」を禁じている(公正取引委員会告示)。占用許可の条件として仕入先を制限しているので、「不当に拘束する条件」に当たり、独禁法に違反するおそれがあるというのだ。

(つづく)
【山本 弘之】

| (後) ≫


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