今年8月から福岡市が、福岡市職員の使用するパソコンに対し、インターネットの閲覧への規制を強化していることが同市への情報公開でわかった。強化された規制については、「このサイトの閲覧が業務上必要ですか?」という確認画面の表示や、掲示板やソーシャルメディアなどへの閲覧および投稿を禁止するもの。閲覧規制の基準には不自然な点もあり、市関係者からは「行き過ぎ」との声もあがっている。福岡市のニュースサイト「HUNTER」は、複数の市職員の証言から、同サイトを市職員に閲覧させない目的で行なっているとの内容を報じた。(詳細はコチラ)
担当する総務企画局ICT戦略室情報システム課によると、インターネットの閲覧規制は、2000年から始まっており、アダルトサイト、犯罪・暴力・麻薬、出会い系サイト、ゲームなどが対象とされていたという。今回、新たにオークションサイトやオンラインショッピングなど3項目を追加。また、消費者金融、金融・投資、インターネットバンキング、芸能、スポーツ、音楽配信、ニュースサイトなど24項目で確認画面を表示。掲示板、ソーシャルメディア、ブログ、動画配信など5項目が書き込み禁止となった。
ニュースサイトについては、市政記者クラブ所属の新聞社・通信社などのニュースサイトは確認画面を表示することなく閲覧できる。「市政記者クラブか否か?」という判断基準について、担当課長は、「ニュースサイトにはスポーツ・芸能といった業務に関係がない内容も含まれているため」と説明。しかし、市政記者クラブ所属のニュースサイトにも、スポーツ・芸能の記事は掲載されており、理由になっていない。このことから制限の強化について、「特定のサイト(HUNTER?)を閲覧させない目的で行なっている」との見方も成り立つ。なお、NET-IBも市政記者クラブに所属していない。
すべての閲覧は、2000年から記録・管理されているという。パソコンごとの記録であり、厳密には閲覧した人物を特定できない。しかし、確認画面には、「インターネットアクセス状況は全て記録されており、業務上必要がない場合には、コンピューターの不適正利用はもちろんのこと、勤務時間内であれば、職務専念義務違反と見なされる場合もあります」という文言が含まれており、市職員は確認画面を経て、サイトを閲覧することに驚異を感じているという。
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