<最も幸福度が低い30代男性>
福岡県は、小川洋県知事のもと、『県民幸福度日本一』というスローガンが打ち立てられ、それにともない、県民の皆さまの幸福度の実態を把握するため、幸福度調査が実施されました。その結果、30代の男性が最も幸福度が低いということに驚きました。逆に30代女性の幸福度は全世代の女性のなかでも最も高い。また、単身世帯よりも複数人世帯の方が、未婚より配偶者がいる方が、子どもがいないよりもいた方が、それぞれ幸福度が高いということが明らかになりました。
今、「就職氷河期」という言葉が再び使われるようになり、大卒の就職内定率も2000年を大きく下回っています。3年以内の離職率も、高卒で68%、大卒、専門学校卒で52%です。
これらの結果から言えることは、県民幸福度を上げるために、現役世代のなかでもとくに若者雇用を確保すること。そのために、本県においても雇用の9割を占める中小企業を守り、中小企業に向かわない雇用のミスマッチを改善すべきということです。
私は福岡県議会議員になって、所属する会派の海外視察で東アジアや東南アジアの国を訪れました。その現状を目の当たりにして思ったことは、「できるだけ国内に留まってもらえるように努めるべきだが、日本の大企業がグローバル経済化で勝ち残るためには、中国やインドなどの低賃金労働者30億人を活用していく流れは、残念ながら、簡単には止められない」ということです。これからの地域雇用を守るのは、やはり中小企業です。中小企業に頑張ってもらい、きちんとした給料を払える雇用をつくってもらうしかありません。
オーストリアの経済学者ヨーゼフ・シュンペーター(1883-1950)も述べていますが、イノベーションや技術革新のため、国の活力維持のために、真の企業家精神(冒険心や飽くなき探究心)を持った中小企業を守ることは大切です。組織が大きくなってしまった大企業は、リスクをとることが難しいからです。
また、中小企業は、地域の絆の担い手としても大切です。政治活動をするなかで、地域のお祭や、防犯・防災活動、文化芸術活動などに対して、中小企業の皆さまが寄付や労力を提供されていることがよくわかりました。
<就職難のなかで人手不足>
先日、若者の4割が非正規社員であるという報道がされました。しかし一方で、人手不足に陥っている中小企業がたくさんあるのも事実です。リクルートワークスの大卒求人倍率調査によると、5,000人以上の大企業の求人倍率は0.47倍。従業員300人以下の企業では4.41倍。「若者の就職難」と言われるなかで、とくに中小企業では「いくら募集をしても人が集まらない」ということは珍しくありません。
私が、若者に中小企業への就職を希望しない理由を聞いてみると、「賃金が安い」「雇用が不安定」「福利厚生が未整備」など、ネガティブな側面を指摘する声ばかりでした。若者と企業が雇用に求めるものに大きなズレがあります。職業観を教える高等教育のあり方も見直す必要もあるでしょう。
また一方で、行政が中小企業の存在意義の定義付けをしっかり行ない、それに基づき、中小企業の付加価値の高い技術が、正当な対価によって内需で活かされる仕組みを考える必要があると思います。中小企業を守り、若者との雇用のミスマッチを解消していくことが、必ず県民幸福度の向上につながっていくと私は信じ、取り組んでいく所存です。
<OFFICE INFORMATION>
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<プロフィール>
1979年8月17日生まれ。京都高等学校、日本大学法学部政治経済学科を卒業後、(株)神戸製鋼所に入社。(財)松下政経塾(27期生)を経て、(株)PHP総合研究所特別研究員として勤める。2011年4月、福岡県議会議員選挙に西区から立候補し、初当選。県議会では警察委員会、景気・雇用対策調査特別委員会、予算特別委員会に所属。
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