調剤薬局事業を展開する(株)トータル・メディカルサービス(本社:福岡県新宮町、大野繁樹社長)はこのほど、(株)メディカルシステムネットワーク(以下メディシス、本社:北海道札幌市中央区)と公開買付契約を締結、メディシスの調剤薬局運営部門で子会社の(株)ファーマホールディングなどを通じ、同社の株式公開買付(TOB)が開始されたと発表した。
(株)トータル・メディカルサービスは1990年に設立。福岡県を拠点に、調剤薬局「さくら薬局」チェーンを展開している。2010年にJASDAQおよび福岡証券取引所に上場しており、13年3月期業績は113億8,500万円。また、メディシスは99年に設立。医薬品等ネットワーク事業をはじめ、調剤薬局、治験施設支援事業を軸とし、08年に東証二部に上場。ここ数年は、全国の薬局チェーンの子会社化を加速させている。今年5月にはファミリーマートと業務提携するなど事業規模を伸ばし、直近の13年3月期業績は548億2,700万円としている。
TOBを進めた経緯として、九州地区の調剤薬局事業の拡大がある。メディシスは現在、北海道を拠点に全国282店舗を展開しているが、九州エリアは5店舗のみ。そのため、福岡県のほか、山口、佐賀、長崎など北部九州を中心に35店舗を持つ同社を子会社にすることで、一気にエリア拡充を図ると見られる。なお、買付価格は1株につき3,200円だとし、全株式取得額は47億5,400万円を予定している。買付期間は9月30日~11月19日まで。
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