中華民国(台湾)建国102周年を記念する「国慶節」のパーティが4日、福岡市内で開かれた。台湾の国慶節は別名「双十節」とも呼ばれ、1911年10月10日に発生した武昌起義を記念している(武昌起義は辛亥革命の発端となった)。毎年開かれるレセプションだが、今年も台湾行政や在九州の政財界から多くの関係者が出席した。
主催者である台北駐福岡経済文化弁事処の戎義俊処長が「多くの方にお越しいただいたことで盛大な会となり感謝している。参加者の皆さんからは日台友好に向けて特別な熱意を感じている。パーティをきっかけに日本と台湾の関係が発展していくことを願っている」と挨拶。九州経済連合会・松尾新吾名誉会長は「200億円を超える義援金を個人の裁量で出す心遣いなどから台湾とは『ビジネス』だけではない深い繋がりを感じる。八田与一さんのような貢献者も台湾にいるが、そういう方々を大事な存在として大切に受け止めていただいている」と台湾に対する思いを述べた。
続いて、九州経済フォーラムの石原進会長は「今年8月に学生を含め約80人の訪問団でうかがい、台北で馬英九総統にお会いする機会があった。馬総統も喜び、来年の九州国立博物館での故宮博物院展に門外不出の秘宝を出展することを検討すると言ってくださった」と台湾訪問での手応えを語った。麻生渡前福岡県知事は「台湾で蓬萊米を開発した末永仁さんの貢献をたたえ、筑紫野市の農業試験場に今年、胸像を設置した。蓬萊米は大変美味しく、台湾の風土に合っている。新種の開発で食料事情が一変し、台湾は米の輸出国に転じた。胸像設置により、福岡と台湾の絆が明確な形で築かれた」と、福岡台湾を結ぶ貢献者を例にとった。会は、福岡県日華親善協会の天岡健会長が「蒋介石氏の存在なくして日本の繁栄はなかった。今後も中華民国の偉業を継承していきたい」と述べ、乾杯の音頭をとった。
積極的に台湾との交流を図っている熊本県の小野泰輔副知事も出席し、「知事が高雄を訪問、県市一緒にMOU(了解覚書)を結び、相互の観光、教育旅行、直行便を実現するためチャーターを積極的に飛ばそうという話になった。『くまもん』を同行させ、経済効果、マネジメントに関する講演も行なったが、好評で、周りには台湾の皆さんが集まってきた。今後、台湾の熊本物産フェアでは『くまもん』を販売する予定だ。逆に、台湾の皆さんには、熊本の温泉や世界的にも価値のある自然、景観、美味しい農産物を楽しんでいただきたい」と、今後の熊本と台湾との交流への期待感を口にした。
※記事へのご意見はこちら