今年５月に人口150万人を突破し、ますます勢いに乗ろうとしている福岡市。そのなかにおいて福岡商工会議所は、地場経済を支えている中小企業の牽引役として、地場経済界の浮揚に向けての大きな役割を担っている。その福岡商工会議所では、150万都市となった福岡をどのように見ているのか――。コカ・コーラウエスト（株）の代表取締役会長であり、同会の会頭を務める末吉紀雄氏に、話を聞いた。

＜魅力的で活力あふれる街＞
　――福岡市の人口が100万人を突破した1975年から数えて38年、政令指定都市としては全国６番目となる今回の150万人突破ですが、まずは率直なご感想をお聞かせください。

　末吉紀雄氏（以下、末吉）　人口減少時代を迎えたなかで、福岡市の人口が150万人を突破したことは、大変インパクトのあるニュースだと思います。福岡市は、全国のなかでも「元気な都市」との評価を得ていますが、それを証左する出来事の１つと言えるのではないでしょうか。
　「福岡市の将来人口推計」によると、2035（平成47）年まで福岡市の人口が160.6万人まで増えるとされています。なかでも、我が国の高齢化が急速に進むにもかかわらず、この間の福岡市の15～64歳の人口、いわゆる生産年齢人口は、100.2万人から97.5万人へと、概ね横ばいで推移していく模様です。
　そのため福岡市は今後、県内・九州内はもとより、国内においても、経済をリードする役割がますます大きくなると思っています。

　――全国的に人口減少が進む都市が多いなか、福岡市においてはいまだに人口が増えてきております。その要因については、どのようにお考えでしょうか。

　末吉　福岡市は、「魅力的で活力あふれる街」であると思います。
　九州一円やアジアからも呼び込む商業集積はもとより、豊かな食、海や山など自然、博物館や美術館など多彩な文化施設、大学・専門学校などの研究・教育機関、街の活気を生み出す祭りやイベント・エンターテインメント、便利な交通アクセスや住みやすい住環境など、コンパクトに都市機能が集積していることが福岡市の魅力です。
　福岡市の人口構成を見ると、15～29歳の人口の比率を示す若者率は19.2％です。さらに、その内訳を見ていくと、男性の9.3％に対して女性が9.9％で、若者率や若者の女性比率は、政令指定都市では最も高い値となっています。
　また、人口の「社会動態」については、転入者から転出者を差し引いた人数のうち、15～24歳が75％を占めている、との結果が出ています。
　これらから、福岡市では"仕事や勉強をこなしながら余暇も楽しむ若者や女性"の姿が浮かび上がってきます。こうした、情報感度が高く、行動力のある若年層・女性層の活気が、福岡の活力の源泉の１つとも言えるでしょう。

｜　（２）　≫

※記事へのご意見はこちら