信販業界を監督する経済産業省は今月1日、オリエントコーポレーション(オリコ)に対して、割賦販売法に基づく聞き取り調査を開始、みずほ銀行が信販会社のオリコを通じて暴力団員らの反社会的勢力に「提携ローン」による融資をしていた問題で、オリコの審査体制にも問題があったとみて、融資の件数や金額、問題を把握するまでの経緯、今後の再発防止策などについて16日までに報告するよう命令を出した。
経産省はその報告をもとに、詳しい事実関係を把握したうえで、指導や処分の必要があるかどうかを検討することにしている。
また、業界団体である「日本クレジット協会」に対しても、反社会的勢力の排除の取り組みを強化するよう、1日付けで通達を出した。具体的には、情報収集体制の強化や、業界全体で反社会的勢力のデータベースを構築して活用するよう求めている。
オリコは個品割賦事業、カード・融資事業、銀行保証事業の3つが事業の柱となっており、主務監督官庁は経産省である。
つまりオリコの業務主体は個品割賦販売事業であるため、銀行のように厳格な審査能力を有していなかったことが、みずほ銀行の「問題融資」を引き起こしたと見られている。
みずほ銀行は、オリコが暴力団などの反社会的な勢力に対する審査をしていたと認識した上で「提携ローン」(融資)に応じていたとしているが、果たしてそうだったのだろうかと疑問が残る。
1.オリコの収益推移(単位:百万円、1株益は円)
ある事情通は、「オリコは2007年3月期、最終利益は▲4,613億円を計上し倒産寸前の状況にあったが、みずほ銀行の支援を受けてその危機を回避した。その後最終利益は6年間黒字を計上しているものの、累計は455億円で僅か1割に満たない数字であり、財務体質は依然ぜい弱で無配を継続している。信販業界はJCBやVISAカードなどの大手クレジット会社との競争やネット通販などの普及によって厳しい経営を余儀なくされているのが実態だ。
そのためみずほ銀行はグループ企業であるオリコを支援するために、オリコが持ち込んだ『提携ローン』を無審査で通していたのでは」と語っている。
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