約1.5億円を補助した福岡市が収支を把握していない、西日本鉄道（以下、西鉄）の運営事業「フクオカ オープントップバス」。10日、利用者が10万人を突破したことで記念セレモニー（費用は西鉄負担）が行なわれた。西鉄は「目標よりも半年早い達成」などとしているが、その乗車率を見ると、そもそも目標が低かったのではないか、という疑念が生じる。

　７日の福岡市議会決算特別委員会の市側（経済観光文化局長）の答弁によると、乗車率は、利用者10万人を突破した９月20日に近い同月23日時点で、全３コース計10便が56％。コース別では、「シーサイドももちコース」（４便）が66％、「博多街なかコース」（４便）が41％、「福岡きらめき夜景コース」（２便）が64％であったという。言い換えると、56％の乗車率を下回る当初の見込みよりも、実際の乗車率が上回ったということだ。ちなみに、詳しい数字は出さなかったが、寒さが厳しくなる12月から２月までは乗車率が低下しているとのこと。

　同事業は、車体費用の７割を福岡市が補助し、そのほか2012年度は、関連するＰＲの費用などに約2,000万円を投じていた。決算特別委員会で収支について質問した、みらい福岡市議団の平畑雅博市議（早良区）は、「収支さえわからない事業は、競争入札や運行委託契約にすべき」と指摘した。これに対し、市側は、利用者がオープントップバスの乗車券（大人1,500円、小人750円）で既存のバス路線が利用できる点を強調し、西鉄を運営事業者にしたと説明。高い視点で景観を楽しむオープントップバスを途中下車し、通常のバスに乗り換える利用者がどれほどいたのだろうか――。

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