10日、「ユニクロ」を展開する(株)ファーストリテイリングが13年8月期連結決算の状況を発表。売上高は、2,143億円増収、前期比23.1%増となる1兆1,430億円となり、衣料品業界で初めて売上高1兆円を突破した。
営業利益は同期比5.1%増の1,329億円、経常利益は8月末に大幅に円安になったことによる為替差益の増加により、営業外収支が前期比で172億円改善し、経常利益1,489億円、前期比19.0%増加した。
国内ユニクロ事業では、増収減益となったが、海外ユニクロ事業では売上高前期比64%増となる2,511億円、営業利益では同期比66.8%増となる183億円、グローバルブランド事業では、売上高同期比34.8%増となる2,062億円、営業利益は同期比20.1%増となる174億円となり増収増益を達成した。
海外ユニクロ事業に関しては、中国を中心にアジアでの事業が好調で増収増益に寄与した。中華圏(中国・台湾・香港)では、大幅な増収増益を達成し、売上高は1,250億円、営業利益は135億円。店舗数は102店舗増加し、13年8月末時点で280店舗となったほか、既存店の売上高も好調に推移した。
代表取締役会長兼社長の柳井正氏は、「我々ユニクロがやってきたことが世界中で理解され始めたと感じている」と発言し、「ユニクロを真のグローバルブランドにすること、海外ユニクロ事業をグループの成長の柱とすること」を掲げた。ユニクロの売上高上位10店舗のうち、7店舗が海外の店舗となったことを報告、ユニクロ1299店舗のうち、海外店舗が446店舗(構成比34%)となった。
縮小する国内市場を受け、積極的に中国に進出するも事業拡大が上手くいかず、苦戦するケースは多い。そんななか、当初は苦戦したものの、積極的に店舗展開を続け、ブランドとして認知され中国で成功していると言える。柳井氏は、「中国では人材育成、採用と育成を進めてきた。中国では、小売業で就職人気ランキング1位の企業となった。このような要因もあり、大量に出店できる素地ができてきた。」と話す。
柳井氏は公言していた「65歳での社長引退」を撤回し、引き続き陣頭指揮をとる方針だ。来年2月で65歳になる柳井氏はかねて「65歳が経営者の体力、気力の限界」と語り、会長職に専念する考えを示していた。今後のグローバル戦略の拡大を目指すため、社長職を継続していく方針に転換し、今後も拡大を続けていく。
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