9日開幕した「第8回海外福岡県人会世界大会」は、福岡県と福岡県民のパワーをあらためて実感させた。記念式典では、日系人として初めて米国州知事になったジョージ・良一・有吉氏(元ハワイ州知事)が来賓として英語で祝辞を述べ、海外移住者、その子孫、海外駐在員らの胸を打った。終戦直後に占領軍の一員として来日した体験にふれて、日本人の努力と精神を讃えたスピーチは、「重要な変化の時期」であり、経済が上下する世界・日本で、今顧みるべき日本人の誇り、福岡のルーツとは何か伝えるものだった。
ジョージ有吉氏は、式典後、NET-IBの取材に応じて、日本の今後の発展にとって大事なことについて、「2つのポイントがある。1つは、大きな会社だけでなく、小さな組織や個人が活躍している。大きな会社の考え方だけではなく、小さな組織や個人の考え方、力を生かすことが大事だ。もう1つは、女性のパワーだ。米国でも15年20年前は、女性の地位は高いものではなかった。今では地位が向上し、女性が社長を務める会社もある。日本でも、女性のパワーを生かしてほしい」と語った。
ジョージ・有吉氏のスピーチ全文は以下の通り。
世界各国・地域から、ここ、福岡においでになった皆様に対し、心から歓迎の意を表します。
福岡のつながりを基に、皆様がこの会にご出席なさっていることは、とても重要なことであると思っています。また、皆様がここにいらっしゃることは、日本の功績、および福岡で培われた文化や、進歩を共有するという誇りの表れでもあります。
近年の日本は、世界経済の影響を受け、重要な変化の時期にあるといえます。世界経済は上昇・下降を繰り返し、日本・福岡もそれに影響を受け、同様に上下しています。
しかし、1945年の終戦後、日本が短期間にその苦境を乗り越え、復旧・復興を果たしたことは、まぎれもない事実です。
私は、1946年、米国占領軍の一員として日本に滞在しており、日本がそのころから短期間に復興したのは、本当に素晴らしいことだと言うことができます。たしかに、戦後の日本の復興に、日米両政府は重要な役割を果たしましたが、日本人の努力と精神こそが迅速にそれを可能にしたのだと思います。
福岡にルーツを持つものとして、皆様は祖先に誇りを持つことができます。そして、本日、この海外福岡県人会世界大会に出席をされているという事実に、私は、皆様の誇りを感じています。
福岡県、そして皆様がお住まいの世界各地において、一層のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
最後に、アロハという言葉で、私のあいさつとさせていただきます。
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