<防戦の地元スーパー>
イズミは中国・九州で近隣型商業施設(ネイバーフッド・ショッピングセンター、NSC)といわれる中規模商業施設の大量出店に乗り出している。年平均10店で16年2月期までに30店に拡大する計画。NSCはゆめタウンの広域集客より商圏を小さく取り、食品や実用衣料、日用雑貨、医薬品など生活必需品を主力に扱う。テナントはSMとドラッグを核店舗に書店や眼鏡店、ファーストフードなどで構成する。
背景には、ゆめタウンの出店が一巡したことに加え、改正まちづくり3法の規制で延床面積1万m2超の大型商業施設の新設が難しくなっていることがある。益城店を除き、4店はすべて第1種大型店に該当しない1万m2未満に抑えている。
事情はイオンも同じで、大型のモール型施設の出店が難しくなったことから、中型の「イオンタウン」に軸足を移す。
<菊陽町は乱戦もよう>
県外大手の進出ラッシュで地元スーパーは影響を免れない。
玉名市では1昨年、ジャスコ玉名店跡を継承した(株)ビッグミカエル(2階建て、店舗面積7,500m2)がゆめマートの開店で客を奪われそうだ。1,200台収容の大型駐車場を完備しJR駅前立地で交通環境には恵まれているものの、施設が老朽化しているうえ(ジャスコの前は寿屋)、集客力のある有力テナントを欠く。ビッグミカエルは年商40億円余りで積極的な改装投資に踏み切るだけの企業体力は乏しい。
HIひろせとドン・キホーテのDS2社が出店する菊陽町は、イオン菊陽店やゆめタウン光の森、スーパーキッド、マックスバリュ九州、マルミヤストアのDS「アタックス」などの大型店・有力店がひしめく。12月にはダイレックス、来年1月にはコスモス薬品が出店し、激戦に拍車がかかる。地元のスーパーキッドはDS、ドラッグ4店を向こうに回して防戦に追われることになる。
「クロス21UTO」は地元の商業施設運営会社カリーノの運営する大型商業施設「宇土シティモール」と競合する。カリーノは、11年4月イオン九州が撤退した跡を受け継ぎ、投資ファンドの玄海キャピタルマネジメントから資金導入し改装、西紅の「ハローグリーンエブリ」(現ゆめマート)やスポーツ専門店ヒマラヤを誘致した。
イズミの進出する宇城市松橋では地元スーパー、マルエイが6月松橋店を開業したばかり。ダイレックスも生鮮売場を併設した新店を計画している。
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