アジアとの交流をテーマに福岡市で開かれたイベント「アジア太平洋フェスティバル」。アジア13の国と地域が参加した今回のイベントだが、台湾からは、アミ族(台湾の先住民族)のアーティストSuming(スミン)さんが登場した。
Sumingさんは、台東県都蘭集落出身で、台湾歌謡界を代表する歌手。2010年、台湾・金曲奨(台湾のグラミー賞)で賞を獲得し、台湾・外交部(外務省にあたる)から「文化外交アーティスト」として任命され世界各国に遠征。また、歌手として活動する一方、地元・台東の手工芸や祭りなどで先住民族の民謡や踊り、手工芸など伝統文化の継承を行っている。3日間にわたり、福岡市庁舎ふれあいステージ、JR博多駅駅前広場ステージが会場となった舞台では、アミ族が階級入りする前の12~18歳の青少年パルナカイとともに軽快なパフォーマンスを繰り広げた。
Sumingさんは「福岡は食べ物も美味しく、人の性格も優しい。3日間とも好天に恵まれ、最高の環境でパフォーマンスを行なうことができた。音楽は『無国籍』の文化、これからも多くの人に台湾アミ族の音楽を伝えていきたい」と語った。彼の歌は、先住民族が代々受け継いできたメロディや歌法を重視しながら、風景や家族への思いを詞に込めた作品が中心。台湾国内でパルナカイとともに定期公演を実施しており、今回の舞台でも、彼のオリジナル曲とアミ族の伝統的な文化を紹介した。
昨年は、台湾から「花蓮県先住民原郷文化芸術団」が来福し歌と踊りを披露したが、今年も「台湾」の演奏は好評で、聴衆からは大きな拍手が送られた。Sumingさんらを引率し公演を支えた台湾交通部観光局・国際チームの陳淑華さんは「特に博多駅前広場のステージも綺麗になり、環境も整っている。お客さんも、最後まで聞き入ってくれ、人々も温かく、福岡には『台湾に行ったことのある人』も多い。今後も『台湾』の2文字を見てもらうことで、身近に感じてもらい、ファンになってもらえるよう努力したい。イベントを通し、航空会社などとも協力しながら、福岡のなかでの『台湾』を盛り上げていきたい」とコメントした。
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