京都大学の小川順・農学研究科教授らの研究グループは15日、腸内細菌の脂肪酸代謝を酵素・遺伝子レベルで解明した、と発表した。研究成果は米国科学アカデミー紀要の電子版に掲載される予定としている。
研究チームは乳酸菌(Lactobacillus plantarum)を用いて、食用油に含まれる脂肪酸(リノール酸)が、どのように代謝変換されるかを解析。その結果、脂肪酸生合成にみられる不飽和化とは逆の飽和化代謝が進むことを突き止めた。また、これに関わる酵素として、複数のたんぱく質を同定するなど、乳酸菌がリノール酸をオレイン酸へと飽和化する代謝経路の全容を解明した。
今回の研究成果は、機能性脂質の開発や、乳製品中のトランス脂肪酸を削減する技術の開発などにつながるとしている。
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