台北に本部を置く台湾観光協会などが主催する「台湾観光セミナー」が15日、福岡市で開催された。九州に拠点を置く旅行代理店を対象に、台湾へ航空便を運行する航空会社等が広報活動を行ない、ツアー客や修学旅行の新規開拓戦略を探るのが目的。旅行代理店職員、旅行業界関係者ら約100名が出席した。
台湾観光協会大阪事務所・林俊慧所長は「円安の影響で日本から海外へ出かける観光客は減少、台湾も多少は影響を受けたが、回復傾向に戻った。今年8月末までに台湾から日本を訪れた観光客は、去年1年間の人数(約146万人)を大幅に上回り、157万人に達し、対前年比52%増えている。年末までに200万人を突破することも予想される」と好調を報告。「台湾を訪れる日本人は『個人観光客』が増加している。溢れる旅行商品よりも自分の足で旅の楽しさを見つけようとする客が増えている表れだろう」と最近の旅行客の特徴について分析した。
プレゼンテーションでは、中華航空・旅客営業部の貴福浩さんが「福岡--台北(桃園)便はダブルデイリー(1日2往復)で運行している。乗り継ぎも便利で、用途や出発地、到着地に合わせて使用可能。航空アライアンスの『スカイチーム』のメンバーに加入したことでマイレージ積算やラウンジ利用など利便性が増した」と強みをアピールした。長栄航空の甲斐美穂子さんは「今年6月に航空ネットワークのスターアライアンスに加盟したことで、旅の利便性、効率化を実現。渡航者数も増えている」と売り込んだ。
台湾観光協会大阪事務所の秋田俊枝さんは「昨年度の台湾の海外旅行者数は836万人。そのうち日本を訪れた人の数は146万人で、一昨年の同時期に比べ47.6%アップしている。今後は、日本からの台湾へのお客様も増やしていけるように協力いただきたい」と代理店業界のバックアップを要請した。また「治安が良い、食事が日本人の口に合う」、「日本とのゆかりが深く、自国の良さを再認識できる」といった理由をあげ「台湾への教育旅行(修学旅行)」も提案・推奨した。昨今、九州内の中学・高校でも、海外に修学旅行へ赴くケースが増えているが、国家間の関係悪化により、中国大陸、韓国への渡航を控える学校も少なくない。親日家が多く、国家間の関係も穏やかに進んでいることを「追い風」として修学旅行ツアーも取り込めれば、「台湾」はアジアのなかで「一人勝ち」の様相を呈してくる。
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