<更なるM&Aも>
2011年8月、競争激化のあおりで(株)進栄フーズが行き詰まった。最盛期には70億円を売り上げていたが、相次ぐ競合の進出で36億円に落ちていた。
昨年9月には県内中堅の西紅がイズミの傘下に入った。西紅は「ハローグリーン エブリー」の店名で5店を展開、12年5月期の年商53億円と県内では中堅だった。競争激化に加え、ジャスコ宇土店跡の「宇土シティモール」に出店したことで財務内容が悪化し、創業オーナーが最悪の事態になる前に身売りしたほうが得策と決断した。
イズミは07年4月、ニコニコ堂の小型店を継承した旧ゆうあいマート(現ゆめマート)を連結子会社化。同社はイズミの支援で店舗のスクラップ&ビルドを実施し、12年2月期には売上高経常利益率2.1%を上げる県内きっての高収益スーパーに脱皮した。
13年2月期の売上高は2.4%増の140億3,200万円で、子会社化した西紅との単純合計では193億円と首位アレスに肉薄する。
イズミは9月から西紅の5店の店名を「ゆめマート」に変更し、県内での知名度浸透を徹底する。ゆめタウン5店と今秋から来春にかけ開業するNSC4店を合わせると、大型商業施設から中型のNSC、小商圏対象のSMまでを擁する県内最大の流通グループになる。
地場スーパーの経営環境は県外企業の進出で厳しい。
地場6位のマルエイは本拠地・玉名にゆめマートが進出。6月に新店を開設したばかりの宇城市松橋では今秋ダイレックス、来春イズミが出店する。
鶴屋百貨店子会社で「フーディワン」の店名で高級スーパーを展開する鶴屋商事は、5月浜線店近くにハローデイが進出、客層が重なるため影響を受けそう。
業績の悪化した企業が県外大手に身売りする、第2、第3の西紅が出る可能性がないとはいえない。
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