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ASEANの次は、ブラジル!!~海外福岡県人会世界大会で経済セミナー
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2013年10月18日 14:35

smn_11.jpg ブラジル経済が新たな注目を集めている。海外に移住、赴任し活躍している世界各地の海外福岡県人会が福岡に集まった「第8回海外福岡県人会世界大会」(10月9日~12日)では、記念事業として「南米・ブラジル経済セミナー」が福岡市で11日開かれた。日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部中南米課長の内尾雄介氏、(株)一優亭社長の関一優氏、ブラジル在住の河野賢二氏(ケンブリッジ・グループ代表)が講演し、ブラジル経済の現状と展望、約150万人の日系人社会とビジネスチャンスに満ちたブラジルの魅力が語られた。約100人が参加した。

 内尾氏は、ラテンアメリカ経済の現状について報告。経済規模、日本との経済関係などのデータを示して、GDP(国内総生産)では、メルコスール(南米南部共同市場)5カ国の合計がASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国の合計を上回っていることや、日本のラテンアメリカ諸国からの輸入額が、工業用原料や食料で大幅に増加していることを紹介した。生産拠点、消費市場、構築が進むFTA(自由貿易協定)の各面からビジネスチャンスと課題を解説し、ブラジルやメキシコがBRICsと比べて安定的な経済成長が予測されると示した。

 関社長は、「博多一口にら饅頭」をメインにした居酒屋「一優亭」チェーンを経営。中南米民間連携調査団のメンバーとして、2013年2月、ブラジルなどを訪問した。現地のレストランや飲食店、市場、日本食スーパーなど豊富なスライドを交えて、居酒屋店主として見たブラジルの魅力を語った。「ミドルクラスが過去8年間で4,000万人増加したこと、多くの日系人が存在することが大きな魅力だ。地球の裏側、ブラジルに福岡の食文化を広める先頭に立ちたい」と述べた。

kawano.jpg 河野代表は、ブラジルで日本企業の立ち上げや、日本のODA案件のブラジル側交渉人として活躍。現在はコンサルタントをはじめ、ブラジルを中心に幅広い事業を展開する企業グループの代表を務める。「中国がGDPで日本を抜いたが、ブラジルが主要先進国に追いつき、経済力、政治的発言力を増すことは間違いない」と指摘。ブラジルは鉱物資源から食料資源まで豊富なうえ、航空機、自動車など工業生産力が成長し、マーケットも大きいと述べ、「民主体制が安定し、政治リスクが低く、経済バランスがとれている」とした。「日本とブラジルの関係が70年代、80年代のブラジルブームと違うのは、世界中がブラジルに来る"世界の主戦場"になっていることだ」と述べ、他国より有利な条件を持つ日本がビジネスチャンスを逃してはいけないとアドバイスした。

 セミナー後は交流会が開かれ、参加者は、講師やブラジル在住の日本人・日系人とのネットワークを築きながら、「世界の経済成長センターASEANの次は、ブラジル」を実感した。

【山本 弘之】


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