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クレジット業界は淘汰される運命に~みずほ銀行の反社会勢力への「問題融資」が引き金
経済
2013年10月18日 10:37

 信販大手のオリエントコーポレーション(オリコ)は16日、みずほ銀行との提携ローンの融資先に暴力団員が含まれていた問題で、信販業界の監督官庁である経済産業省に事実関係や再発防止策の報告書を提出した。

houkokusyo_s.jpg それによると、2010年末まで融資の審査はオリコ単独で行なっていたが、自社の反社会的勢力の情報データベースの精度が低かったことなどから、翌年の1月よりみずほから情報の受け入れを開始した。しかし、その認定方法が「オリコの審査を通過するとみずほ銀行が融資を実行。その後みずほ銀のリストと照合する事後チェック型」だったために防げなかったと説明。契約件数は12年9月時点で230件、金額は合計約2億円に上っていた。
 こうした契約の存在をみずほ銀行は2年以上にわたり放置していた。昨年12月に金融庁検査で反社会的勢力への『問題融資』を指摘され、みずほ銀行は初めて147件の肩代わりをオリコに要請し、オリコはこれに応じたとしている。これら契約の半数以上は、オリコが暴力団などの反社会的勢力への審査を厳格化する09年10月以前の契約だったと釈明している。

 オリコは今回の『問題融資』を指摘されたのを受けて、再発防止策として今後、融資審査時に契約申請者が暴力団員ら反社会的勢力かどうかを判断するため、みずほ銀のデータベースと照合するとともに、オリコ自身のデータベースを充実。既設のコンプライアンス委員会から独立した「反社態勢強化委員会」を新たに設置。委員会は当社役員・監査役および弁護士で構成し反社会的勢力との関係遮断に向けた取り組みを強化するとしている。
 経産省はオリコの報告を受けて、割賦販売法に基づく行政処分に当たるかどうかなどを検討することにしている。

siryo2_s.jpg 一方、全国銀行協会の国部毅(三井住友銀行社長)会長は17日記者会見し、「みずほ銀が業務改善命令を受けた問題は、非常に残念だ。事態を深刻に受け止め、銀行界に対する信頼を確保するためには、今後の取り組みが今後重要になる」として上で、自らが持つ反社会的勢力の情報を、信販業界にも提供する意向を正式に表明した。
 信販会社は銀行に比べて反社会的勢力に対する情報が乏しいことから、全銀協の情報を信販各社が活用できることになれば、今まで問題となっていた「提携ローン」の情報精度が高まり、反社会的勢力との取引を未然に防ぐ効果が期待されると説明。
 ただ、それでも万全とはいえず、全銀協は10年から警察庁にデータ接続を求めてきているが、実現していないため、11月にも警察庁と協議を始める方針も明らかにした。

 オリコの『提携ローン』をめぐる問題融資は、信販の業界団体である日本クレジット協会(約950社が加盟)に大きな衝撃を与えている。と言うのも、かつて隆盛を極めた住宅専門会社(日本住宅金融、住宅ローンサービス、第一住宅金融、住総、地銀生保住宅ローン、総合住金、共同住宅ローン)や、消費者金融会社(武富士、アコム、プロミス、アイフル、ほのぼのレイク、三洋信販《アイフルへ》)も、相次ぎ銀行の傘下に組み入れられているからだ。
 ある事情通は、「金融庁は住専や消費者金融と同様に、オリコとみずほ銀との『問題融資』を理由に、経産省が管轄する信販業界を傘下に取り込もうとしているのではないか」と語った。
 今回のみずほとオリコとの「問題融資」を引き金として、信販業界は大手を除き淘汰され、銀行系列に組み込まれることになるとの見方が有力となっている。

【北山 譲】


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2013年7月10日 16:36
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