日台交流の野球熱の盛り上がりを受け、11月下旬に仙台で開催予定だった「日本・台湾プロ野球OB試合」が、来年に延期されることになった。本来、11月21日から23日まで開催する予定で、両チームともに出場メンバー等はほぼ決定していた。台湾からは陳文賓氏ら、日本で活躍したプレイヤーも含まれ、日本からもかつてのスター選手が出そろう予定だった。大野豊氏、佐々岡真司氏ら往年の名投手、仁志敏久氏、広沢克実氏、佐々木誠氏ら球界で実績を残した選手らがリストに名を連ねていたが、日本側からの要請で「延期」となっていた。また、日本チームの監督を王貞治氏が務めることも濃厚と台湾関係者側に伝えられていたため、台湾側の気運もさらに上がっていたのだが・・・。
延期後の開催は、「来年4月」が濃厚とされているが未定だ。一方、小久保裕紀新監督のもと動き出した現役選手で構成された「サムライジャパン」は、11月8日から台北市で、台湾代表と親善試合を行なうものの、日程の折り合いがつかず、台湾側からは、肝心の「台湾プロ野球リーグ(中華職棒)」の選手が不参加、海外組や若手中心のメンバー構成となった。同様に日本チームも若手中心のメンバー構成となり、野球ファンにとっては「最強戦力での勝負」が見られない残念なかたちとなっている。
今年3月のWBC東京ラウンドで、激戦を繰り広げ、両国ともに「再戦」を希望する気運が高まったものの、現場サイドで調整が難航するケースが続いている。さらに、11月のサムライジャパン台北遠征のように、なんとか「開催」にこぎつけても、手を抜いたメンバー構成や運営サイドのやる気のなさを、日台それぞれの野球ファンは即座に感じ取る。「所詮、練習試合・・・」となってしまえば、野球ファンは球場に足を運ばないだろう。
OB試合の延期を受け、台湾選抜チームに内定していたある選手は「試合に出場するつもりで準備していたが、こういうかたちになり残念。来年4月に延期するとのことだが、確実に開催してほしい」とコメントした。
仮に「来年4月」の開催の運びとなっても、すでに、日台それぞれプロ野球シーズンが始まっている。OB試合のメンバー構成は「野球解説者、評論家」が中心で、シーズンに入れば、試合の取材や放送に忙しい。今度は、「日程の都合が良いメンバー選出」の面で問題が噴き出しそうだ。
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