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脱原発・新エネルギー

市民出資の自然エネルギー事業、拡大の動き(前)
脱原発・新エネルギー
2013年10月21日 07:00

 自然エネルギー普及に新たな一歩――。
 17日、北海道の石狩で風力発電事業などを手がける自然エネルギー市民ファンドの鈴木亨社長、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長らが東京都千代田区で会見を行ない、北海道・福島・長野・小田原・山口で市民出資による「全国ご当地エネルギー市民ファンド」の公募を17日からスタートすることを発表した。
 まずは、これまでにも太陽光発電事業のファンドを運営した実績のある長野県飯田市の「おひさまエネルギーファンド」が、17日から募集を開始した。7回目となる今回の募集額は3億5,000万円。ファンドに出資することで、自然エネルギーの普及・拡大に手軽に貢献でき、事業の売電収入などに応じて、元本の返還と利益分配が得られる。

<ご当地電力、本格始動>
hara.jpg 市民出資による「ご当地エネルギー」の動きが本格的にスタートした。長野県のおひさまファンドを皮切りに、北海道石狩を中心とした風力発電、福島県の復興支援の太陽光、神奈川県小田原市の太陽光、山口県の太陽光ファンドが順次、募集をスタートする。
 この「全国ご当地エネルギー市民ファンド」は、市民が出資して、地域の自然エネルギー事業、発電事業の運営に一役買うというもの。自然エネルギーでの発電により売電収入を得て、その収益を出資者に分配する。東日本大震災以降、全国で、太陽光、風力など自然エネルギーに対する関心は高まっているが、この市民出資型ファンドの拡大により、地域での自然エネルギー事業の普及に、実際に市民が参加しやすくなる。

<長野県のおひさまファンドが先陣>
 先陣を切る長野県飯田市の「おひさまファンド」はこれまでにも、地元長野県の飯田信用金庫と連携して、大規模な屋根借り太陽光発電事業、公共施設の屋根を借りた市民出資による共同発電事業などで実績を挙げてきた。
 おひさまエネルギーファンドの原亮弘代表は「FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)により、収益をあげやすくなっています。7回目の募集になる今回はバイオマスボイラーを設置する事業や、松本地域の太陽光事業などに使う。地域に還元していきたい」と、語った。おひさまエネルギーファンドのホームページより資料請求し、他地域からも出資することができる。今回募集する「おひさまファンドセブン」で言えば、設置の遅れ、系統接続の遅れなどのリスクはあるが、利益分配率で2.0%、2.5%(契約タイプにより異なる)という目標を立てている。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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