＜問われるリーダーとしての自覚＞
　福岡市議会 決算特別委員会の分科会が行なわれていた16日午前、高島宗一郎福岡市長が市内の高級フィットネスクラブで運動していた問題が原因となり、21日の同委員会総会の開催が約６時間遅れた。原因となった問題行為を犯した高島市長の責任は重い。

　この問題をめぐり、総会前に行なわれる非公開の運営理事会が紛糾した。高島市長の行動を問題視する共産をはじめとする野党会派が追及。共産は、公開される決算特別委員会総会における市長の説明と分科会が行なわれていた10月10、11日、同15日～17日における市長の行動に関する資料の提出を要求し、社民はこれに賛同。民主も説明が必要とし、これを拒否する場合、行動に関する資料の提出を求めるとした。維新・無所属は、高島市長のリーダーとしての自覚を問題視するも理事会では中立的立場をとった。

　一方、市長擁護に回った自民、公明、みらい福岡の与党会派は、高島市長の行動に問題性がないとして、とくに対応の必要なしとの姿勢。会派によって意見が別れたため、調整の時間をはさみ、運営理事会が数回開かれた。最終的に、高島市長自身が理事会の場で、16日の行動について説明。高級フィットネスクラブにいた事実を認めたものの、謝意を示す言葉が口から出ることはなかった。総会は、開催予定の午前10時から、約６時間遅れの午後３時50分に開始。午後10時51分に終了した。

　高島市長の行動を問題なしとする意見は、市長が勤務時間の定めがない特別職であることを理由にあげる。しかし、市政の重要課題を市議と市職員が議論をしている間、市政の最高責任者が遊んでいていいわけがない。きまりがないことを言い訳にするのなら、「市長の行動に関して、新たにきまりを作る必要があるのか？」という議論になる。150万の福岡市民、１万人の市職員の先頭に立つリーダーの、１つ１つの行動にきまりが必要なのだろうか。

　あるベテラン市議は、故事「李下に冠を正さず」を引用し、「平日の真昼間に市長がプールで泳いでいる姿を見た人はどのように思うか？ 要らぬ嫌疑を招かぬような配慮も必要だ」とコメント。出番がないからといって、任期中は、どこにいようと『市長』である。このことが理解できなければ、「資質がない」と言われても仕方がない。

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