そもそもの発端は怪文書だった。IB1866号(9月5日号)で宅配水業界を取材した際にそれは発覚し、その真偽を見極めるべく取材を続けた。というのも、それが驚くべき内容だったからだ。要は、フランチャイザーによるフランチャイジーに対する"いじめ"疑惑である。本来、フランチャイズのシステムを組む場合、胴元であるフランチャイザーと協力者であるフランチャイジーとは対等。ウィンウィンの関係が生まれるようにつくられるはずである。発足当初はその通りだったのかもしれないが、時とともに事情が変わったらしく、今では、少なくともその一方が不平を訴えるに至っていることが分かった。
宅配水業界全体がそうというわけではない。これはフランチャイザーであるアクアクララとフランチャイジーであるアクアデザイン(アクアクララ北関東)の諍いである。
<怪文書の内容>
宅配水業界を調べるなか、浮かんできたのが怪文書の存在。なぜ怪文書かというと、差出人が明記されておらず、内容も内部告発のようなものだったためだ。その真偽のほどを、文書自体からは読み解くことはできなかった。おおよその内容は次のとおりである。
(1)フランチャイジーをないがしろにし、敵対するかのように直営工場を設置するなどしている。それによって撤退を余儀なくされたフランチャイジーもいる。
(2)また、訴訟沙汰にまで発展している。
(3)関心を引くためだけの広告キャンペーンを行なっており、過激な表現が多いため苦情が殺到している。
以上3点が主な内容である。ことの真偽について、アクアクララ本部に問い合わせたところ、回答は以下のとおりだった。
1について。私たちはフランチャイジー様からのロイヤルティで成り立っている。足をひっぱるなどということはない。
2について。訴訟については個別契約もあるので詳しく述べられない。
3について。広告がやりすぎであったとの批判はあった。開始1日で取りやめたのは、そのためもあった。
つまり、足を引っ張るようなことは、できる限りないようにしているというのが本部サイドの回答。その後、もう一方のアクアデザインにも取材を行なっており、次稿でその結果得られた知見をレポートする。
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