地盤改良・杭工事・重仮設工事と、地盤の専門集団として活躍する(株)ワイテック。小規模な仕事であっても縁を大切にする姿勢で、顧客数をゼロから450社を超えるまでに成長した。変動の激しい社会情勢に対応しつつ、「信頼と安全性」を第一に考える同社の軌跡をたどる。
<現場の経験を基に提案し最善を尽くす>
――まず、御社が現在に至るまでの経緯を教えてください。
行武志郎(以下、行武) もともと私は、父が経営する行武通信建設(株)(現(株)ユクタケ)で働いていました。1994年にユクタケのグループ会社として設立したのが始まりです。現場での作業から営業となったときには、私と社員1人でした。
当初は顧客もゼロ、知名度もない、パンフレットなどのツールもないという状態で、飛び込みセールスを積極的に行なっていました。初年度は売上も少なくて苦労しましたね。
――ある程度仕事がもらえるようになったのは、どのくらいの時期からでしたか。
行武 見積もりの引き合いが増えてきたのが1年後くらいですね。とにかく、1つひとつの案件に最善を尽くすかたちで対応していくことが次のステップにつながると信じてやっていきました。現場での作業をしていたということがそのとき活かされ、顧客の「どうしたらいいのか」という声に対しての提案がすぐにできるという強みになりました。技術提案型の営業みたいなものですね。
さまざまな工法の杭や重仮設(山留)工事を提案し、何度も協議を重ねて、最良のコストパフォーマンスを常に心がけています。それが顧客満足度を高めることにつながっているのだと思います。
――ゼロからのスタートで、苦労も多くあったことでしょう。苦しい時期を乗り越えられた要因は何だったのでしょうか。
行武 設立当初は同業他社から相手にもされなかったこともありました。そのたびに「いつか見返してやる」というある種"反骨精神"みたいなものが支えになったのではないでしょうか。
――今は行武社長自身も営業されていると思いますが、今後はどのようなかたちを目指していますか。
行武 自分1人で動くのは限界があります。ですが、社員を新しく入れても技術をサッと覚えられるというわけではありません。そのため、現場で教えつつ、育てていくというかたちですね。自分が持っているノウハウをどれだけ伝えきれるか―。それによって弊社がどう伸びていくかが変わると思います。今も弊社は技術提案型の営業が強みです。商品がないものを売るようなものですから、顧客の信頼を勝ち取るという意味で営業がキーマンになってくるでしょう。
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<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市博多区博多駅前2-2-7 Blanc・Style博多2F
資本金:1,000万円
TEL:092-292-1516
URL:http://www.y-tech.biz/
<プロフィール>
行武 志郎(ゆくたけ・しろう)
学卒後、父が経営する行武通信建設(株)(現(株)ユクタケ)に入社。現場作業を経験後、1994年にユクタケのグループ企業として(有)ユクタケ(現(株)ワイテック)を設立。趣味はゴルフ、旅行。
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