<破たん後のアクアクララで>
コンビニエンスストアなどのフランチャイズ関係と異なり、宅配水の場合は水の製造までフランチャイジーが担当する場合がある。
水にRO膜という特殊なフィルターをかけることで、ほぼ純水を製造することができる仕組みが技術的に確立しているので、その技術を導入しさえすれば、いかなる水であっても一定の品質に仕上げることができる。それゆえ、プラントを導入しさえすれば、商品の製造まで行なうことができる。また、そこまでしないと(本部や他社から水の供給を受けて販売するなどすると)利益が薄まってしまう。地域を知り、信頼関係を築いて、要領よく宅配をするというのが、この事業の要諦と言えよう。
ただ、製造はできるが、先述したとおり、そのボトルのキャップであったり、味を決めるミネラル原料であったりといったものは、本部から供給を受けなくてはならない。加盟企業は地の利を生かして販路を拡大する。胴元の本部はそれを支援する。そういった関係が本来の宅配水事業の形のはずだった。ところが、近年、それがずれてきているようなのである。ことアクアクララに関する事業風土に変化が起こっているのは確かなようだ。
ご存知の方も多いと思うが、アクアクララは一度経営破たんを経験している(当時の社名はアクアクララジャパン)。2004年のことだ。民事再生を申告し、2005年、レモンガスを受け皿企業に再生を果たした(以後、アクアクララに社名を改め再スタート)。その際、多くの企業が本部から脱退して、独自のブランド展開を果たすこととなった。クリクラ(株式会社ナック)などもその一社で、かつてはアクアクララを支える一社だった。そうやって、独立をするものと残るものとが分かれ、現在の業界地図が出来上がったのである。
現在、問題となっているアクアデザイン(アクアクララ北関東)は、実はアクアクララブランドの立ち上げメンバーの一社だった。言うなれば最古参加盟企業である。その古参企業と本体が何らかの理由で争っている。そして、それはひどい状況にある、というのが怪文書の内容だったのだ。
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