<製造をやめよ>
アクアデザインはウォーターボトルの製造までも行なうフランチャイジーである。また、自社でつくった水を自社の顧客に販売するのみならず、製造設備を持たないフランチャイジーにも供給するという立場にあった。同社のもつプラントはアクアクララグループのなかでももっとも古いタイプのものであることも一筆加えておかねばならない。かつて、アクアクララブランドの立ち上げの頃のテストプラントを兼ねてつくられたのが同プラントである。したがって、国内初号機であり、二号機以降とは少し構造が異なるという。操業開始以来10年あまり。まったく突然に終わりは訪れることとなったのだ。
同社はアクアクララのグループに籍を置いていた間、アクアクララ本部による定期的な品質検査はパスし続けており(2年前、一度品質に関して指摘を受けたことはあるというが、すでに対応している)、製造の品質維持のための指導にも従ってきたという。そんな企業に転機が突然訪れた。何の前触れもなく製造をやめて本部のつくったボトルを買え、と言われるようになったのだ。それでは会社が倒産してしまうということで、本部からの水の購入を拒否すると、工場設備がアクアクララ品質を支えるのに不十分だから改修しろとの指導がくる。時を同じくして本部検査の項目で雑菌が見つかる。工場設備を改修しなくては製造させないという意味か、消耗品の購買を禁じてくる。そしてフランチャイズ契約を解消された。これが今回の取り上げているフランチャイジーとフランチャイザーの戦いのおよその流れである。
なぜ、フランチャイザーがパートナーたるフランチャイジーをないがしろにするような行動をとるのか。通常ならば、ビジネスパートナーの幸福を願いこそすれ、陥れるようなことはしないはずである。それゆえ、あるいはアクアデザインの何かが悪く、それを純粋に指摘し、その結果、フランチャイズ契約が解除されたものだったのではないか、とも考えていたのだが、取材を通じて感じたことはそれとは異なっていた。
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