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私怨うずまくみんなの党・最終段階に来た江田斬り(後)
政治
2013年10月26日 07:00

 参院国対委員長代理の交替と同時に渡辺嘉美氏は倫理委員会の構成も変えた。新たに水野賢一氏、山内康一氏、三谷英弘氏を委員に任用。民間から地域分権型道州制国民協議会理事長の村橋孝嶺氏を招いている。
 水野氏以下の議員はみな、渡辺氏の側近だ。村橋氏は議員ではないが、渡辺氏に近い。「地域分権型道州制国民協議会には、渡辺氏から資金が流れている」と言う人もいる。これでは党員資格などを審議・決定する倫理委員会は、完全に渡辺色に染められたも同然だ。22日の役員会で倫理委員会のメンバーが正式に決定した時、ある関係者はこう言った。
 「柿沢氏を事実上除名した時の不手際を反省したんだな。倫理委員会をおさえ、江田氏の除名をスムーズに行なうつもりだろう」。
 「不手際」とは、渡辺氏が柿沢氏を離党させた後、柿沢氏の地元の墨田区議から「公開質問状」なるものがみんなの党の所属議員宛てに配布された事件を指す。質問状は、柿沢氏の処分について党内の手続きを経ているかどうかという問い合わせと、その回答を書面にて請求するものだった。

A-3.jpg これについての執行部の反応は素早かった。公開質問状を受け取った2日後、幹事長の浅尾氏は墨田区議に電話し、「柿沢氏は除名処分ではなく、自発的に離党した。よって倫理委員会の手続きにかける必要はない。だから書面にて答えない」と答えている。
 「それは苦肉の言い訳だ。柿沢氏は渡辺氏が『離党してくれ』と言ったから、もうだめだと諦めて離党した。本来なら倫理委員会にかけてしかるべき事案だ。こうした無茶は相手が柿沢氏だからこれで通っただろうが、党の創立者のひとりである江田氏にはきちんと手続きをしないとやっかいだ。渡辺氏も浅尾氏もそれを知っている」(同関係者)。
 虎視眈眈と慎重に外堀を埋めていることがわかる。もはやこの党は恐怖政治がはびこってしまったのか。

 ただし締め付けの一方で、飴をしゃぶらせることも忘れない。22日の幹事長会見で浅尾氏は、都道府県支部に対して資金を提供することを表明した。金額はいち都道府県当たり100万円から1,000万円。所属する地方議員や党員数に比例して裁量されるという。
 「カネを使うことが渡辺氏にとって、党所属の地方議員を繋ぎとめる唯一の方法になっている」。
 前述の関係者はこう述べる。
 「もともとみんなの党は、地方議員に政治資金を配布しなかった。選挙でムリをして借金を負う若手も多いと聞く。そういうのに少額でも党から出るということになれば、ホイホイと言うことを聞くことはあり得る」。
 だが、満額が支給されそうなのは、今のところきちんとした組織がある東京と栃木だけの様子だ。栃木は渡辺氏の地元であり、東京は支部長として側近の松田氏が牛耳っている。
 「これでは直轄地の優遇と批判されてもやむを得ない」。
 関係者は呆れて笑った。
 しかし渡辺氏は余裕の構えだ。臨時国会が始まった当初、番記者たちとの懇親会を開いた。会話の大部分を江田氏の悪口についやし、こう豪語したという。
 「あいつ(江田氏)には何も権力がないだろう。(離党しても)ついていく人間は10人もいないぞ。クックック」。
 最小限の傷で江田を追い出したいという本心を明かした瞬間だった。
 みんなの党はアジェンダの党ではなく、もはや私怨の党になり果ててしまったようだ。

(了)
【永田 薫】

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