<ロシア全体で「日本クラブ」が約500カ所>
――ロシアでは大変な日本ブームと聞いています。
浜田議員 「和食:日本の伝統的食文化」が、12月にユネスコの世界無形文化遺産に決まりそうですが、モスクワではかなり前から和食はブームになっています。
モスクワだけで日本料理店(鮨、そば、やきとり等)が約1,200件あります。まだ玉石混交の状態ですが、結構恰好がついているものだけでも、約400件はあると思います。プーチン大統領の「和食」好きも、柔道の黒帯に負けないほど有名な話です。
日本に対する期待は、もちろん和食だけではありません。ロシア全体に、約500カ所の「日本クラブ」ができています。いわば、日本のファンクラブのようなもので、対象は文学の村上春樹からアニメ、コスプレ・ファッションまでとても多岐にわたります。これは今までに見られなかった現象でさらに拡大していくことになると思います。
来年2月に「冬季五輪」が開催されるソチも訪問・視察しました。準備がとても遅れている印象を持ちました。選手村は、外装はできているのですが、内装は未完成で、電気、水道等は通っていませんでした。海側の会場と山側の会場を結ぶ道路はなく、鉄道で輸送する計画なのですが、駅はできていましたが、まだ電車は通っていませんでした。道路の整備も不十分です。
さらにイスラム過激派が「ソチオリンピック粉砕」を叫んでおり、その対策に苦慮しています。治安面、安全面対策では、世界有数と言われる日本に協力の要請が来ています。東京都が積極的に協力、テロリスト情報(電子情報、パスポート情報等)、緊急逮捕の仕組み(警察、消防)のアドバイザー、関係者がソチに入っています。今、ソチやモスクワのホテルは満杯になっています。
<新しくクリーンな「日ロ」関係を構築>
――日ロ関係の進展は、当然北方領土問題にも影響を与えるのですか。
浜田議員 ロシアとの関係では、EUや中国と同様、それ以上に元気で強い日本が浮上する可能性があります。長い目で見ると、当然、北方領土問題にも良い影響が出てくると思います。
国後、択捉を中心に、ロシアは自力で開発できると、韓国や中国から企業を誘致しています。しかし、本格的なインフラ投資が充分に進んでいるようには思えません。そこで、信頼できる日本をアピールすることによって、きちんとした交渉ができる機運が出てきたと感じています。双方合意で納得のいく道筋を立てることが重要です。
私は、来年2月には、ロシア外交アカデミーの招聘で訪ロし、ソチオリンピックの1週間後に開催される「ロシア外交アカデミー100周年」記念行事に出席します。そのときは、プーチン大統領とも会談ができる予定になっています。
利権とか、裏金とかの関係のない、新しくクリーンな「日ロ関係」の構築、前進に尽力したいと考えております。
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