<600万円を投じて改修するも思い届かず>
アクアデザインのプラントは、日本で宅配水事業を展開するためのテストプラントを兼ねていた。それゆえに、国内でも最古のものであると言ってもよい。だから特有の問題が発生しているに違いない、というのは早計である。同プラントは最古ではあるものの、消耗品はきちんと交換してきたし、メンテナンスにも余念はなかった。そのうえ、毎月20万円弱の指導料を払い、本部からの指導を受けてきたのである。その指導にきちんと従ってきたからこそ、品質が保証された、自信のある商品を生み出すことができたのだという。
それが突然、そのプラントでは品質が保持できない、と言われ、大規模改修を言い渡された。一方的であったか、高圧的であったかなどはその場にいた者でなくてはわからないが、とにかく品質保持できないからという理由で改修を勧められたのは間違いない。これは本部でも認めている。
4,000万円ものお金は、中小企業にとっては安易に動かせるものではない。それをわかったうえで4,000万円の一括を申し付けたのか。本部サイドは4,000万という数字ではなく、中身について議論する余地はあったとしているが、取材を通じてそこにも疑念を持たざるを得なくなった。
というのが、今年の2月、アクアデザインは本部の意向を踏まえたうえで、600万円ものお金を投じて設備の一部改修に踏み切ったからである。4,000万というお金は即座に対応することはかなわないが、一部ずつならば対応していくという姿勢を見せた。
ただし、その改修は本部の意向を踏まえたものではあるものの、本部に依頼したものではなかった。というのが、本部は一括4,000万円の提示しかしてこなかったためだと高橋氏は語る。それゆえ、他社に本部の意向を実現するための工事を依頼したのである。壁、床などを完全に防水のものとし、作業場であるクリーンルームと外部との遮断をより一層強固なものとするなど、これまで以上の品質を実現するための措置がとられたのである。
しかしながら、結果的にはその努力は報われることはなかった。
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