政府の日本再興戦略(成長戦略)の閣議決定を受けるかたちで、全面解禁に向け急ピッチで検討が進められてきた一般用医薬品(OTC薬)のインターネット販売。ここに来てサイドブレーキが引かれた状態が続いている。「スイッチ直後品目」や「劇薬指定品目」を合わせた28品目のネット販売を許可するかどうかで足踏みが続いているようだ。
OTC薬のネット販売に関しては、11回におよぶ検討会が行なわれた結果、解禁に賛成・反対の両論併記となり、1類と2類医薬品の解禁に関しては先送りとされた。その後、6月14日の閣議において日本再興戦略を決定、一般用医薬品のインターネット販売を認めることとなった。
消費者の安全性を確保しつつ適切なルールの下で行なうことを前提に、スイッチ直後品目や劇薬指定品目については、医療用に準じたかたちでの慎重な販売や使用を促すための仕組みづくりに関する専門家による検討を行ない、秋ごろまでに結論を得て制度的な措置を講じることになっていた。
8月8日から3回にわたり、「スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合」が開かれた結果、28品目の取り扱いについて「簡便に購入できるかたちでの流通は避けるべきだ」、「購入希望者の挙動も十分観察・確認した上で販売することが必要」、「代理人への販売や、症状が出ていない時点での常備薬としての購入は認めるべきではない」など、ネット解禁に対してかなり高いハードルが求められている。
また8月15日から9月20日まで、東京大学大学院准教授・山本隆一座長のもと、「一般用医薬品の販売ルール策定」のための検討会も実施され、10月8日にとりまとめが行なわれた。しかし、その後28品目の取り扱いをめぐり議論は膠着しているもよう。
1月に下された最高裁判決以来、違法な状態がつづいている。取材に対して厚生労働省は、「まったくスケジュールがみえない」状態だという。
そのようななか、自民党の議員連盟が議員立法の提出に向けて加速しているとの一部報道もあるようだ。
◆健康情報サイトはこちら >>
健康情報サイトでは健康・食に関する情報を一括閲覧できるようにしております。
※記事へのご意見はこちら