<2つの検査結果>
議論が平行線をたどる間、ひとつの不思議なエビデンス(証拠)も本部から示された。
アクアクララグループのフランチャイジーであるアクアデザインは、毎月、アクアクララの方針に従って商品サンプルを本部に提出し、品質チェックを受けることになっていた。こうしていさかいが起こっている間もそれはなされ続けていたのだが、不思議なことに、これまで問題がなかった商品サンプルから突然、雑菌が基準値内ではあるが検出されたとのテスト結果が報告されたのである。
こういった争いが起きている間に行なわれたチェックで異常が発見されるというタイミングの良さも不思議ではあるが、それはありえないことではない。単なる時期の問題だから、あるいはそういったことも、確率は低いながらもあり得ることなのだ。しかし、不思議なのはそこではない。アクアデザインはアクアクララ本部に提出したものと同じサンプルを第三者機関に検査依頼しているのである。その結果が本部のものと食い違っていたのだ。これは、少し妙なことだと思われる。
本部が成した検査ではわずかではあるが雑菌が検出されていたのに、第三者機関で検査したものには雑菌が見受けられなかったのである。まったくのゼロだったのだ。それも2カ月も続けて同じことが起きているのである。
同じサンプル採取の方法で得られた検査結果に差が生まれるというのは、どういうことなのか。ひとつ考えられるのは採取方法が実は違っていた、ということだろう。それぞれ別の場所から持ってきたサンプルを調査したのならば、結果に差が生まれることもあり得る。しかし、それをしたところで、どこに得があるのかはわからないが。また、別に考えられることと言えば、本部もしくは第三者機関のいずれかがウソを言っている場合である。どちらかが何らかの目的のためにデータを改ざんすることは考えられないことではない。ただし、これも立証することは非常に難しい。いずれにせよ、何らかの作為があったのかも知れないし、なかったのかも知れない。それを立証することは極めて難しいということだ。
事実だけを挙げるならば、本部の検査結果と第三者機関の検査結果が異なったということをアクアデザイン側は主張しているということくらいだ。しかし、本来ないはずの差があるというのは、あるいは何かを暗示しているのかも知れない。不思議なこともあるものである。
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