9月12日に、福岡市のPR事業「福岡市カワイイ区」の2代目カワイイ区長に就任した、カナダ人女性のミカエラ・ブレスウェートさん。NET-IBの調べで、ミカエラさんへの関心が45~64歳の男性に極端に偏っていることがわかった。同事業は、福岡市の魅力を「カワイイ」という切り口で市内外に発展していく内容だが、市の思惑とは予想外の反応があるようだ。
NET-IBは、ミカエラさんの就任式の様子を動画ニュースとして9月12日夜に配信。この動画が投稿されたYoutubeで、配信から10月31日までの約2カ月間で再生された回数を集計したところ計1万4,512回。その内容は、男性90.2%、女性9.8%、1万3,322回と最も再生回数が多かった日本では、45~54歳が43.3%、55歳~64歳が37.1%を占めていた。45~64歳までの日本人男性が1万回以上再生していたということになる。
ちなみに、日本以外の再生回数は、アメリカ428回、ミカエラさんの母国カナダ153回と続いていた。動画への投稿コメントには、これまでミカエラさんの動画を見ていたという海外の女子高生からは、区長就任を祝福したうえで、「日本に行くと絶対にカワイイ区に行ってみたい」という内容もあった。「カワイイ区はインターネット上にしか存在しない仮想行政区」と位置づけられているため、実際に足を運ぶことは不可能だが、海外にも一定の反響がある様子がうかがえる。
新たにスタートを切ったカワイイ区は、AKB48の篠田麻里子さんを初代区長に起用し、昨年8月29日にスタート。篠田さんのファンを中心に、無料メルマガに登録する「カワイイ区民」が設立から1カ月で3万人を突破したが、市民の間では「カワイイ」という切り口に疑問を抱く声も少なくはなかった。そのようななか、「カワイイは男女差別を助長する」との苦情を受ける。それと前後して、福岡市特別顧問が、他自治体ではできないといった蔑視発言も問題となっており、今年2月19日、福岡市が篠田さんの退任を突然発表。2代目カワイイ区は、初代設立時に要した費用と同じ約1,000万円を、広告代理店へのHP制作費やプロモーション費用などにあてて再開している。
中高年層の男性の関心が高いということについて、同事業の市担当者は、「予想外ですが、女性だけでなく、男性からも『好感が持てる』との評判はあります。今までのファン層とは、異なってきているのではないでしょうか」とコメント。企業・団体が行なうイベントなどへのミカエラさんの参加に関する問い合せも増えているという。これまで『若者向け』というイメージが強かったカワイイ区だが、おじさまにモテモテの2代目区長が、当初の予定とは異なる展開を生み出すかもしれない。
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