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アジアへインフラ輸出を積極展開する横浜市(中)
行政
2013年11月 1日 10:10

<横浜に息づく"市民参加型">
 市民や地元企業の陳情は、そのすべてが、部署ごとにきちんとわけられるものではない。ゴミ問題に悩む地域は、同じように下水処理にも悩んだりしている。
 ある程度大きな組織になると、多かれ少なかれ存在する"縦割りの弊害"。市民の細かいニーズをくみ上げ、組織全体で共有する際、その担当割りというのは、時にうまく機能しないことがある。国で言えば、省庁の縦割り構造が弊害となって、福島原発事故の汚染水問題に見られるような問題解決に遅れが生じたり、国民の真のニーズを反映できなかったりして、組織全体の運営に支障をきたすこともある。

 飛鳥田市長以来、多くの市民が参加した都市づくりを大事にしてきた横浜市は、これをできる限り解消し、部署割りによる担当外、いわゆる「たらい回し」を避けるために、組織に横串を通し、部署横断的なハブ機能を持たせることに努めてきた。市民の意見や声をくみ上げ、行政に活かす。市民参加、官民連携で都市を作っていくという市政のシステムづくりが、1960年代の飛鳥田市長の時代から根づいている。
 現在も横浜では、「市民参加型の都市ブランド共創プロジェクト」、「音祭り市民参加プロジェクト」など、市民による市民のためのイベントが多く開かれている。

<官民連携でアジアへ>
yokohama.jpg 官民で連携するという下地が、横浜にはあった。横浜市や横浜市の企業が持つ技術をアジアなどに国際展開するY-PORT事業でも、市全体に共創推進事業本部というハブ機能を持たせ、水道局、経済観光局、都市整備局などが一体となって事業を推進している。

 官民連携を密にし、現地行政側のニーズと進出側の動機付けをマッチさせることで、市内企業の持つ先端技術を効率的に売り込むことに成功。ここでも、分野横断的な機能が効果を発揮した。横浜市政策局・共創推進室の野村宣彦室長は、「これまで横浜市は、行政だけでは解決できなかった課題を、市民、企業とともに解決してきた。自治体と企業が連携し、市内の中小企業の海外展開を支援する。横浜の企業が海外で活躍することで、横浜市の将来につながるという発想です」と語る。

 経済発展により都市部の人口が過密になっているバンコクなどアジアの大都市が抱えている課題は、60~80年代にかけて、横浜市が直面し、解決してきた住宅問題、水道、交通インフラ整備、ゴミ問題など都市運営の課題と似ている。
 アジアの都市より先行して課題に取り組み、解決してきた日本の行政や企業は、水道、交通インフラ整備、公害問題などを解決する技術力をすでに持っている。横浜市は、アジア、アフリカなど新興国が抱える都市問題解決のためソリューションを提供していく。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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