<家族の笑顔を生む住まいづくり>
考え抜かれた住空間、日々のライフシーンに彩りを添えるデザイン―(株)ランディックアソシエイツが展開する「アソシア」シリーズのマンションは、「お客さまに『ずっとこんなマンションに住みたかった』と思っていただきたい」という夢を実現する設計デザインを事業の核としてきた。同社が産声を上げたのが1993年。不動産業界で経験を積んだ中山朋幸社長が創業した。
「これまで我々は福岡を中心に地域密着で事業展開をしてきました。これからも、そこがブレることはありません」(中山社長)という同社は、もともとファミリータイプの仲介業務を中心にスタートした。「顧客満足第一主義」というイデオロギーを社内に浸透させながら、7年間力を蓄積していった。20世紀最後の節目となる2000年、自社ブランドとして「アソシア」シリーズの第一号「アソシア井尻アヴァンセ」の開発を始動。03年に竣工し、10年間でようやく現在の事業の基礎が構築された。ここまでがファーストステージである。
セカンドステージの始まりとなる04年以降は、実需型ファミリー分譲マンション事業に特化し、同分野における社会的認知を確立する方針を決めた。同時に事業用地の仕入部門を強化し、戦略的な財務部門、人事コンサルティング部門を立ち上げるなど、社内組織の明確な方向性も固めていった。
07年には都心型資産運用向け仕様マンション「アソシアグロッツォ」シリーズが登場。個性的な住空間とインテリアカラーを選べる「ルームスタイルプラン」を採用し、充実したシティライフを過ごしたい若い世代の心をとらえ、高い入居率を誇るようになった。
このころは不動産バブルの追い風もあって、08年までには同社の売上比率が実需型:投資型=50:50(%)となり、収益の安定化を図れた。同年9月期決算では過去最高となる31億円の売上高を計上していたが、リーマン・ショックにより09年は物件を差し控えた。多くの地場デベロッパーが苦戦するなかにあって、同社はファンド案件などの取り扱いがゼロであったため、大きく揺らぐことはなかった。
「弊社では住まうお客さまのライフスタイルのイメージが描けない物件供給はしておりませんでした。こだわりを持った適性供給と、制限速度範囲内での少し余裕を持った経営を目指していたからこそ、今があるのだと思います」(中山社長)。
コア事業を確立させた同社にとってのサードステージは、新たな方向性をもとに企業を活性化させることに重点が置かれた。本社オフィスを福岡市中心部に移転し、東京・沖縄に新オフィスを開設。人材を原動力とした企業の総合的なパワーで、情報力、販売力の強化を目指す。
そして2013年、20周年を迎えた同社はさらなる飛躍を遂げようとしている。その足がかりとして7月4日と5日には、初めてゴルフツアーの冠スポンサーとして「LANDIC VanaH杯 KBCオーガスタ・チャレンジ2013」を開催。また、その2日前には20年間会社を支えてくれた取引関係者の親睦を深めるため、ゴルフコンペも同時開催された。
同社の12年9月期の売上高は42億円、13年9月期は43億円を見込んでいる。そして来期は契約状況から売上高見込みは65億円まで見えている。ここ最近は30代を中心とした営業部隊を育て、組織を強固なものにしてきた。支店を拡大するところまで実力はついてきたが、あくまで中山社長は「売上高の大きさではなく、安定感のある会社を目指したい」と背伸びしない。今後の経済状況および市場動向を踏まえての計画だが、「売れ過ぎ感があるマーケットや建築費の高騰、消費税増税などによる不動産市場低迷の波が来ても、売上高50億円をあげられる安定的な事業運営」が同社の基本方針だ。
市場には限界があり、無理な仕込みや販売はどこかでほころびがでる可能性が高いことは、これまでの経営で身にしみるほど味わってきた。また、倍々で業績を向上させれば社員を増やさなければならず組織の質の維持もたいへんになる。それよりも、社員1人ひとりの質を向上させながら、住宅は量的供給よりも質的供給にこだわること、つまり"量よりも質を重視する"ことこそが、21年目以降も揺るがぬ同社の信念なのだ。
同社のオフィスに入ると、「一期一会」という文字が大きく掲げられている。「初めて会うお客さまとの一瞬を大事にしたいですね。ご家族が笑顔で生活していくその空間で、どう感動を生み出していくのかを第一に考えています」(中山社長)という同社の姿勢が、もっともよく表されている言葉だ。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:中山 朋幸
所在地:福岡市博多区中洲5-3-8アクア博多6F
設 立:1993年12月
TEL:092-283-3200
URL:http://landic.com/
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