11月4日、鹿児島市七ツ島で国内最大のメガソーラー発電所の竣工式が行なわれた。京セラグループが中心となって、IHI(旧石川島播磨重工業)の遊休地を有効活用したもので、出力は国内最大の70MW(7万kW)となっている。名称は鹿児島七ツ島メガソーラー発電所。運営管理は関係7社が出資して設立された鹿児島メガソーラー発電株式会社が担当する。出力は2万2,000世帯の電力をまかなうことができるとされる。総工費は270億円。
すでに1日から売電は始まっており、今後、少なくとも20年にわたって発電をしていく見込みだ。
設置された場所はIHIの工場跡地で、海に張りだす形の出島のような土地127万m2。着工前に現場を見たことがあるが、広大な敷地はただの野原で、一部草野球チームなどが活用できるグラウンドとして使われているにすぎなかった。そこに京セラ製の太陽光パネル29万枚を並べて発電所として活用した。
海を隔てて、すぐ隣には桜島があり、その降灰の対策にも腐心したと思われる。パネル角度を20度にし、雨で灰が流れやすくなるよう工夫をした。
同様の遊休地は日本国内にも数多くあるはずであり、その資産活用のひとつの方向性を示した形と言える。現在、九州では大分で、東北、東海などでも、これを超える発電所が計画されている。今後、こういった大規模メガソーラー発電所が日本各地で稼働を始めるようになれば、電力の自給自足のシッポくらいはつかむことができるようになる可能性がある。巨大な再生可能エネルギー発電所の内包する意味・可能性・未来図はもっと大きい意味を持つことになるのかも知れない。日本のエネルギー構成が変わり始めるきっかけとなってほしい。
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