ケンコーコム(株)(東京オフィス:港区赤坂、後藤玄利社長)は5日、一般用医薬品(OTC薬)のインターネット販売に関し、これまで10カ月にわたる販売状況と薬剤師による安全対策に基づき、自社の見解を示した。
スイッチ直後品目等のOTC薬23品目について、販売開始後3~4年の間インターネット販売を禁止される方向で政府の調整が進んでいるとの報道に対するもので、同社は、「トレーサビリティーが確保されたインターネット販売を活用し、情報を収集することが有効である」とスイッチOTCのネット販売規制に反論している。スイッチOTCとは、医療用医薬品の有効成分が転用された一般用医薬品のこと。
今年1月、最高裁判所の違憲判決にともない、同社はインターネットにおけるOTC薬の販売を再開したが、注文総数75万個の販売実績に対して副作用の発生はまったく報告されなかったと主張。また、薬剤師による相談件数は電話で2,652件、メールで2,885件に上り、注文状況などをもとに購入者に対して648件の確認の連絡をとった結果、187件については問題ありとして販売を断ったとしている。
また同社は、9月からの取り組みとして、「ロキソニン」などのスイッチOTC薬等で一般用医薬品としてのリスク評価が完了していない品目を購入した顧客に対し、服用・使用後に副作用等の発生がないかどうか、「注意喚起とお客様の状況を確認、副作用事例等を収集するためのメールを送信している」という。これは、スイッチ直後品目等の特徴である、購入後の新たなリスクの判明、拡大の防止に備えるための取り組みで、これまで2,242件のメールを送信しており。今後も増やしていく予定だとしている。
同社は、「インターネット販売のトレーサビリティーという利点を活かすことで、より安全な医薬品販売を実現できると考えております。インターネットでは、リスク区分ごとの性別・年齢などの顧客情報を正確に把握し、保存することが可能です。インターネット販売は、膨大な情報を正確に収集・分析できるメリットがあるため、製造販売後調査のサンプル収集・分析などにも将来的には貢献することができると考えております」と、インターネットという情報通信技術を積極的に活用することで、医薬品販売後のフォローや副作用事例の幅広い収集に寄与できると強調している。
同社は10月25日、政府関係者に要望書を提出、1月に良い渡された最高裁判決や日本再興戦略を無視してネット販売だけが禁止されるような事態になれば「断固として闘う」と、
行政訴訟も辞さない構えを見せている。
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