トヨタ自動車(株)(本社:愛知県豊田市、豊田章男社長)は6日、2013年度の業績予想を再度上方修正した。売上高は25兆円と前期比13.3%増を予想。また、営業利益は2兆2,000億円(前期比66.6%増)と、8月の第1四半期(13年4~6月期)発表時の予想(1兆9,400億円)から13.4%の増額となる。営業利益が2兆円を超えるのは6年ぶりで、過去最高益となる2兆2,703億円を記録した、リーマン・ショック直前の07年度に迫る勢いだ。
好業績の主要因は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」による円安だ。前年同期の為替レートが1ドル=79円だったのに対し、今期は1ドル=99円と20円もの円安水準で推移。これにより、営業利益が5,400億円押し上げられたかたちだ。
これに加えて、赤字転落を機に構造改革を加速した成果が表れ始めたことも一因。部品調達コストの削減や、生産ラインの集約化などを徹底し、部品の共通化なども進めている。同社が過去4年で進めたコスト削減効果は、1兆3,000億円超に達するという。
ただ、好調な業績の陰で懸念材料も――。まず、大幅増益をもたらした今期の為替水準が、一時的なものに終わる可能性が高いこと。加えて、販売台数は来期以降も大幅な増加は見込めず、好調だったアジアの販売にも陰りが見えている。
同社では「収益構造の改善をこれからも地道に進めていく」としているが、このまま好調を維持できるかどうか、注目が集まる。
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