11日、福岡市保育団体連絡会(福岡市中央区、田中歩代表)は、高島宗一郎福岡市長および吉村展子こども未来局長あてに、中央保育園移転の建設中止などを求める「すべての子どもの発達保障をめざす保育施策を求める要請書」を提出した。
発足から30年が経つ福岡市保育団体連絡会は、保育園の経営者、保育士、保護者など約1,000名で構成され、毎年1回、保育行政に関する提言活動を市に対して行なってきたという。今回は、保護者や保育士が反対する中央保育園移転や、1、2歳児保育を幼稚園で行なう連携幼稚園計画などに関して問題提起を行ない、「子どもの発達の権利を最優先にした保育施策」を求めるため、急きょ、申し入れを行なったとしている。
要請書では、まず、待機児童解消のために、国有地・公有地の十分な活用、2003年以前に実施されていた土地の無償貸与を行ない、認可保育所の新設を急ぐよう求めている。一方、連携幼稚園計画では、1、2歳児保育に必要な職員配置や施設整備が不十分と指摘、計画の中止と市民・市議会に対する説明を求めている。中央保育園移転問題については、待機児童解消のみを理由に拙速におし進めることをせず、保護者や職員など当事者の理解を得られるまで建設工事を中止するよう求めている。
市に要請書を提出した福岡市保育団体連絡会の関係者は、建設が行なわれている新・中央保育園について、以下の問題点をあげた。(1)通園時の安全に対する配慮の欠如。(2)災害時の避難経路の確保が困難であること。(3)園外保育が困難であること。(4)定員300名の施設で給食室が1つであり、給食を外部搬入することで自園方式の基本から外れること。(新・中央保育園の周辺環境については、関連リンクの動画を参照。)
要請書が提出された同日、中央保育園移転における高島市長の背任を指摘する告発が、福岡地検に受理された。各方面から疑問の声があがり、さまざまな疑惑が浮上しているなか、はたして建設工事を進めることが適切かどうか。高島市長の判断が注目される。
▼関連リンク
・動画で見る福岡市の中央保育園移転問題~移転先に子どもの安全はあるのか?
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