<疑惑>
アースハート関係者によれば、太陽光発電への資金提供を依頼したのは船井メディアの野々垣氏。相談を持ちかけられたアースハート側は、昨年の3月頃から11月にかけ、複数回に分けて計約9億5,000万円あまりをバイオネット研究所に「貸付」。このうち、5,000万円程度が返済されたという。
問題は、何度目かとなった約3億円の融資。このなかには、なぜか前述した税理士への「成功報酬」――1億5,000万円が含まれており、その後、返却されている。バイオネット研究所に対するアースハートの貸付残は、約8億円前後あると見られるが、バイオ社の太陽光での儲けでは、この巨額な借金は減りはしない。前述したように、太陽光発電の年間売上は6,000万円弱。経費を差し引くと、それほどの金額は残らないはずなのだ。そもそも、3億円程度の設備に土地代1億円を加えても4億円。この事業に、8億円もの金が必要だとは思えない。バイオネット研究所はほかの事業も営んではいるが、億単位の借金を背負ってやっていける規模ではないと見られる。資金が別のことに使われた可能性が、否定できない状況なのだ。
<船井・野々垣氏は取材拒否>
一連の取材の最後に、船井メディア・野々垣元社長に事実関係を確認しようと同社本社を訪れ、社員に文書で質問書を手渡ししたが、音沙汰なし。その後も回答を頼んだが、現在まで何の反応もなく、事実上の取材拒否。この間、野々垣氏は8月末に役員を辞していた。一部上場企業の子会社としては、失格ということになろう。
船井メディアの野々垣氏がアースハート側から引き出した資金は、一応、事業費や貸付というかたちをとっている。本稿に記したのは、その一部の部分のみで、まだまだ驚くような話があるのが実態だ。その点については、稿を改めて追いかけることにしたい。
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