佐賀県神埼市の神埼警察署のとなりにある「くるま買取のえびす」には、車に関することだけでなく、道を聞いたり、おすすめの本を尋ねたりと、さまざまな相談事で訪れる人が多いという。地域に愛されるお店づくりを目指す若手経営者・福井一史氏を取材した。

＜今夏、大手FCから独立＞
　福井氏は今年の夏、テレビCMでも有名な車買取専門の大手FCグループから独立し、「くるま買取のえびす」を立ち上げた。店名の「えびす」の由来は、七福神の恵比寿。日本一恵比寿像の数が多い佐賀市をはじめ、佐賀では恵比寿の信仰が厚い。より人に親しまれるようにという恩師の勧めに従った。

　全国的に大規模な広告宣伝を行なっている大手FCからの独立。不安のなか、「車屋とは？」という自問自答の末に、福井氏は、「本質はお客様のお役立ち商売。商品が車」という答えを見出した。「楽しいところにしか人は集まらない。売り買いがなくても、人が集まる店にしよう」という福井氏。その気さくで誠実な人柄もあって、「くるま買取のえびす」には、車に関係なく、訪れる人は少なくはない。

　福井氏の「少しでもお客様の役に立つ」というコンセプトは、通常はアフターフォローがない車買取における同業者との差別化だ。福井氏は車買取を「ご縁の一端」と考え、お客とじっくり対話をし、その後の人間関係を構築している。現在の目標は１カ月40台の買取台数。福井氏が各種データから分析した神埼市のトップとなる数値だ。車のオークションを行なう会社に勤務するなかで車取引のノウハウを培った福井氏は、メンテナンスなどで信頼できる専門業者と提携するなど、サービスの充実にも努めている。本業における信頼も厚く、同業者からの相談も多い。

　また、お客かどうかを問わず、福井氏は、人とのコミュニケーションを幅広くとっている。店のフェイスブックページに「いいね！」を押した人に抽選でプレゼントするのは、地元のお店の食事券など。地域ＰＲにつなげたい考えだ。なお、買取した車の販売やリースも行なっており、販売での今のオススメは、スズキのエスクード。市場価格80～100万円のところ、75万円で販売中である。ただし、「いい車は１週間でなくなります」とのこと。早めの確認が必要なようだ。

　大手FCの看板に代わるものは「人間力」という福井氏。笑顔に会えて、笑顔になれる店。「くるま買取のえびす」には、そんなキャッチフレーズがふさわしい。

＜SHOP INFORMATION＞
くるま買取のえびす
住所：佐賀県神埼市神埼町枝ヶ里251－２
TEL：0120-39-8080
URL：https://www.facebook.com/viola.co.ltd（フェイスブックページ）

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