東証一部上場の「船井総合研究所」(船井総研)の子会社「船井メディア」の前代表者・野々垣健五氏が、脱税で摘発された「アースハート」から巨額の資金を引き出していたことを報じた。記事への反響は大きく、船井本体あるいは総研の創始者である船井幸雄氏の関与についての問い合わせが殺到している。結論から言って、「知らなかった」では済まされない事態だ。
既報の通り、船井メディアは昨年3月、法人税法違反などの疑いで福岡地検の家宅捜索を受けており、そのことは新聞でも報道されている。捜索された船井メディアの本社は、船井グループ各社が入居するビルのフロアの一角にあり出入り自由。グループの人間が気付かぬはずがない。
そもそも、アースハートとの付き合いは、船井幸雄氏とアースハート元代表との個人的な関係に始まったとされ、野々垣氏がアースハートと密接な関係を持つようになったのは、国税がアースハートの査察(2010年着手)に入って2年あまりが過ぎた2012年のこと。流れからいって、船井氏が野々垣氏をアースハートの担当に据えたということだろう。
その後の野々垣氏の動きについて、体調を崩していると言われる船井氏がすべてを把握していたとは思えないが、少なくともアースハートの商法が「脱税」であるとして摘発された頃には、トラブルの全容をつかんでいたと見られる。家宅捜索を受けたことまで隠せるはずがないからだ。当然、野々垣氏とアースハートのとの間に何があったのかは、調べているだろう。ことは船井グループ全体の浮沈にも関わるからだ。
では、野々垣氏とアースハートとの間に、どのような金銭のやり取りがあったのか。このシリーズでは、もう少し細かなところまでを、複数回に分けて報じていく。
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